動物病院やトリミングサロン、ペットショップへの就職・転職を考えている方の中には、「面接ではどんな敬語を使えばいい?」「病院見学の受付では何と言えばいい?」「飼い主様への正しい言葉づかいがわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ペット業界では、動物に関する知識や技術だけでなく、飼い主やお客様、スタッフとの円滑なコミュニケーションも大切です。

特に動物病院では、動物の健康状態や治療内容について説明する場面があり、丁寧でわかりやすい言葉づかいが求められます。

また、トリミングサロンやペットショップでも、お客様の希望を正確に理解し、安心してサービスを利用してもらえるような対応が重要です。

ペット業界で大切なのは、難しい敬語をたくさん使うことではなく、相手への敬意を持ち、わかりやすく正確に伝えることです。

今回は、ペット業界の面接や職場見学で役立つ敬語とビジネスマナーを解説します。

尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本から、受付での挨拶、面接室への入り方、飼い主やお客様への言葉づかいまで、具体的な例文とともに紹介します。

ペット業界でも敬語やビジネスマナーは重要?

動物病院、トリミングサロン、ペットショップでは、動物と接する機会が多くあります。

しかし、実際の業務では飼い主やお客様、同僚、取引先など、多くの人とのコミュニケーションが必要です。

例えば、動物病院では受付での案内や診療前の問診、検査や治療に関する説明などが行われます。

トリミングサロンでは、希望するカットスタイルや犬の体調について確認することがあります。

ペットショップでも、商品説明や飼育方法の案内、問い合わせ対応などが必要です。

こうした場面では、適切な言葉づかいと相手の話を丁寧に聞く姿勢が役立ちます。

敬語が完璧でなければ採用されない?

採用面接で敬語を少し間違えたからといって、それだけで不採用になるとは限りません。

面接では、応募者の経験や適性、仕事内容への理解など、さまざまな要素が確認されます。

一方、丁寧に話そうとする姿勢や、相手の質問を正しく理解して回答する姿勢は、仕事でのコミュニケーションにもつながります。

敬語を完璧に暗記することよりも、基本的な表現を身につけ、自分の言葉で自然に話せるようにすることが大切です。

就職活動で覚えたい尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い

敬語には、相手を立てる表現や、自分の行動をへりくだって表す表現などがあります。

代表的なものが、尊敬語・謙譲語・丁寧語です。

尊敬語|相手の行動や状態を高めて表現する

尊敬語は、相手や第三者の行動・状態について、その人物を立てて表現する言葉です。

例えば、採用担当者の行動について話す際には、次のような言葉を使います。

  • 言う → おっしゃる

  • 見る → ご覧になる

  • 来る → いらっしゃる

  • する → なさる

  • 食べる → 召し上がる

使用例

「院長先生がおっしゃっていた教育方針に関心を持ちました。」

「採用ご担当者様はいらっしゃいますか。」

謙譲語|自分の行動をへりくだって表現する

謙譲語は、自分側の行動を控えめに表現することで、相手への敬意を示す言葉です。

例えば、次のような表現があります。

  • 言う → 申し上げる

  • 見る → 拝見する

  • 聞く → 伺う

  • 会う → お目にかかる

  • 訪ねる → 伺う

使用例

「貴院のホームページを拝見しました。」

「新人教育についてお話を伺いたいと考えております。」

「本日お目にかかれることを楽しみにしておりました。」

なお、文化庁の「敬語の指針」では、敬語を尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語に分けて説明しています。

まずは基本的な使い分けを身につけることから始めましょう。

丁寧語|「です」「ます」で丁寧に伝える

丁寧語は、話し相手に対して丁寧に述べる表現です。

例えば、「私は獣医師を目指しています」「本日はよろしくお願いいたします」といった表現があります。

面接では、必ずしも複雑な尊敬語や謙譲語を使う必要はありません。

自然な「です・ます調」で、わかりやすく答えることも大切です。

【一覧表】ペット業界の面接で使いたい敬語表現

採用面接や職場見学で使いやすい言葉をまとめました。

普段の言葉丁寧な表現わかりました承知しました見ました拝見しました聞きたいですお伺いしたいです行きます伺います会いたいですお目にかかりたいです言いました申し上げました知っています存じていますすみませんが恐れ入りますがありがとうありがとうございますもう一度言ってくださいもう一度お聞かせいただけますか

例えば、動物病院の見学で教育制度について質問する場合、

「新人の教育制度について聞きたいです。」

よりも、

「新人の教育制度について、お伺いしてもよろしいでしょうか。」

と伝えると、丁寧な印象になります。

ただし、難しい言葉を無理に使う必要はありません。

意味を理解している表現を、自然に使うことを心がけましょう。

面接で注意したい間違った敬語と二重敬語

敬語を使おうとするあまり、不自然な表現になってしまうことがあります。

代表的なのが「二重敬語」です。

二重敬語とは、一般に、一つの言葉に対して同じ種類の敬語を重ねて使うことです。

例えば、次のような表現には注意しましょう。

注意したい表現自然な表現おっしゃられるおっしゃるご覧になられるご覧になるおいでになられますかいらっしゃいますか拝見させていただきました拝見しましたご質問させていただきます質問いたします

※「させていただく」は、許可や恩恵の関係などによって自然に使える場合もあります。すべての使用が誤りというわけではありません。

また、丁寧に話そうとして、一文が長くなりすぎることにも注意しましょう。

敬語を重ねることよりも、相手に伝わりやすい文章にすることが重要です。

面接では若者言葉にも注意する

普段の会話では問題のない言葉でも、採用面接では少しくだけた印象になる場合があります。

例えば、次のような表現です。

  • 「マジで勉強になりました」→「大変勉強になりました」

  • 「めっちゃ興味があります」→「とても興味があります」

  • 「了解です」→「承知しました」

  • 「なんか難しかったです」→「難しいと感じる部分がありました」

相手との関係性によって適切な言葉づかいは異なりますが、初対面の採用面接では、丁寧でわかりやすい表現を選ぶとよいでしょう。

動物病院の見学・面接で守りたいマナー7選

動物病院では、一般企業の面接マナーに加えて、診療中の動物や飼い主への配慮が必要です。

1. 受付では学校名・氏名・訪問目的を伝える

動物病院に到着したら、まず受付で自分の名前と訪問目的を伝えましょう。

【獣医学生の受付例文】

「お忙しいところ失礼いたします。本日〇時から病院見学のお約束をしております、〇〇大学獣医学科の〇〇と申します。採用ご担当の〇〇様にお取り次ぎいただけますでしょうか。」

【愛玩動物看護師志望者の受付例文】

「本日〇時から面接のお約束をしております、〇〇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」

受付が診療対応中の場合は、相手の状況を見て声をかけましょう。

2. 待合室では診療を受ける飼い主や動物に配慮する

動物病院の待合室には、診療を待つ犬や猫、飼い主がいる場合があります。

緊張している動物や、体調が悪い動物がいることも考えられます。

そのため、大声で話したり、不必要に動き回ったりすることは避けましょう。

また、かわいい動物がいても、飼い主やスタッフの許可なく触れることは控えてください。

3. 面接室では案内に従って入室する

面接室に案内されたら、スタッフの指示に従って入室しましょう。

ドアが閉まっている場合は、軽くノックしてから入室します。

入室時には「失礼いたします」と挨拶しましょう。

ノックの回数など細かな形式にこだわりすぎるより、落ち着いて丁寧に対応することが重要です。

4. 着席は面接官の案内に従う

面接室に入ったら、指定された席へ向かいましょう。

面接官から着席を勧められた場合は、「失礼いたします」と一言添えて座ると丁寧です。

席の指定がない場合には、入口に近い下座を選ぶことが一般的ですが、施設の案内を優先してください。

5. 診療中に無理に質問しない

病院見学では、実際の診察や検査、処置などを見学する場合があります。

その際、疑問に思ったことをすぐ質問したくなるかもしれません。

しかし、診療中には動物の安全や飼い主への説明が優先されます。

質問するタイミングが適切かわからない場合は、見学担当者に確認しましょう。

必要であれば、聞きたいことをメモしておき、診療が落ち着いてから質問する方法もあります。

6. 診療情報や飼い主の個人情報を守る

動物病院では、動物の健康状態や検査結果、飼い主の氏名・連絡先など、さまざまな情報を扱います。

見学や実習で知った情報を、無断でSNSなどに投稿しないようにしましょう。

また、許可なく診察室や動物、カルテなどの写真を撮影することも避けてください。

7. 見学・面接の最後は感謝を伝える

見学や面接が終了したら、案内してくれたスタッフや採用担当者に感謝を伝えましょう。

例えば、

「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。」

と伝えるとよいでしょう。

見学で印象に残ったことがあれば、簡潔に感想を添えることもできます。

トリミングサロンの見学・面接で大切なマナー

トリミングサロンでは、採用面接だけでなく、施術の見学や技術試験が行われる場合があります。

そのため、一般的な面接マナーに加えて、施術中の犬やスタッフへの配慮が重要です。

施術中のスタッフに無理に話しかけない

トリミングでは、ハサミやバリカンなどの器具を使用することがあります。

施術中のスタッフに突然話しかけると、作業の妨げになる可能性があります。

質問したいことがある場合は、担当者に適切なタイミングを確認しましょう。

犬に許可なく触らない

サロンにいる犬を見て、つい触りたくなることもあるでしょう。

しかし、犬によって性格や体調は異なります。

また、施術中や施術前後など、犬が落ち着かない状態になっている場合もあります。

動物に触れる際は、必ずスタッフの指示に従いましょう。

飼い主への説明では専門用語を使いすぎない

トリマーとして働く場合、飼い主の希望を聞き、施術内容を説明する機会があります。

例えば「毛玉がひどいので無理です」と一方的に伝えるよりも、

「毛玉が多い状態ですので、ワンちゃんの皮膚への負担も考えながら、施術方法をご相談できればと思います。」

と説明する方が、状況を共有しやすくなります。

大切なのは、丁寧な言葉づかいと、犬の安全を考えた説明です。

ペットショップの面接・接客で大切な言葉づかい

ペットショップでは、接客や販売の仕事に加えて、動物の飼育管理や商品説明などを行う場合があります。

お客様の質問を最後まで聞く

接客では、お客様が何を知りたいのかを正しく理解することが大切です。

例えば、飼育用品について質問された際には、すぐ商品をすすめるのではなく、飼育している動物の種類や生活環境などを確認することで、適切な案内につなげやすくなります。

わからないことは確認する

ペットショップで働く場合、動物の飼育方法や商品について、詳しく知らないことを質問される場合もあります。

そのようなときは、知ったかぶりをせず、必要に応じてほかのスタッフや正確な資料に確認しましょう。

【接客例文】

「恐れ入ります。正確にご案内するため、担当スタッフに確認してまいります。少々お待ちいただけますでしょうか。」

特に動物の健康や適正飼養に関する情報では、不確かなことを断定的に伝えない姿勢が重要です。

【場面別】ペット業界で使える敬語・言葉づかいの例文

ここからは、就職活動だけでなく、実際の職場でも使える表現を紹介します。

場面使える例文初対面の挨拶本日はどうぞよろしくお願いいたします。病院見学の開始本日は見学の機会をいただき、ありがとうございます。質問するとき一点、お伺いしてもよろしいでしょうか。聞き取れなかったとき恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますか。指示を理解したとき承知しました。ありがとうございます。確認が必要なとき確認してまいりますので、少々お待ちください。飼い主を案内するときこちらでお待ちいただけますでしょうか。相手に謝るときご不便をおかけして申し訳ございません。電話を取り次ぐとき担当者におつなぎいたします。訪問の終了時本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

なお、動物病院に対してメールや書類を書く場合は「貴院」、会社に対しては「貴社」、店舗に対しては「貴店」などの表現が使えます。

会話では「こちらの病院」「御社」など、自然で伝わりやすい言い方を選んでも構いません。

面接で気をつけたい「ら抜き言葉」

日常会話では、「見れる」「食べれる」「来れる」などの表現を使うことがあります。

これらは「ら抜き言葉」と呼ばれる表現です。

言葉づかいは時代とともに変化しますが、採用面接など改まった場面では、次のような形を選ぶと無難です。

日常的に使われる表現改まった場面での表現見れる見られる食べれる食べられる来れる来られる寝れる寝られる出れる出られる

例えば、

「実習ではいろいろな診察が見れました。」

よりも、

「実習ではさまざまな診察を見学することができました。」

と表現すると、就職活動の場面に適した丁寧な文章になります。

面接室での着席・荷物・名刺のマナー

ペット業界の採用面接でも、一般的なビジネスマナーを知っておくと役立ちます。

バッグは指定された場所や足元に置く

面接室に入った際、バッグを置く場所が指定された場合は、その案内に従いましょう。

指定がなければ、自分の足元など、通行の妨げにならない場所に置きます。

動物病院では衛生管理の観点から、診察台や処置台に私物を置かないようにすることも重要です。

名刺を渡された場合は丁寧に受け取る

採用担当者から名刺を渡された場合は、できれば両手で丁寧に受け取りましょう。

面談中は、担当者の名前を確認できる場所に置いておく方法もあります。

面談終了後には忘れず持ち帰り、適切に保管します。

退室するときは感謝の気持ちを伝える

面接が終了したら、立ち上がって感謝を伝えましょう。

「本日はありがとうございました。失礼いたします。」

と挨拶すれば十分です。

お辞儀の角度など細かな形式を過度に意識するより、落ち着いて丁寧に対応することが大切です。

ペット業界の見学・面接で避けたい行動

言葉づかいだけでなく、態度にも注意しましょう。

受付や待合室で大声で話す

動物病院には体調の悪い動物や、不安を感じている飼い主がいる場合があります。

待っている間も周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

許可なく動物に触れる

見学先に動物がいる場合でも、許可なく触ることは避けましょう。

安全管理や感染対策、動物のストレスへの配慮が必要です。

スマートフォンを無断で使用・撮影する

面接や見学中のスマートフォンの使用は、必要な場合を除き控えましょう。

写真や動画を撮影したい場合は、施設側に事前に確認することが必要です。

診療中・施術中に話しかけ続ける

現場スタッフが業務を行っているときは、安全を優先しましょう。

質問がある場合は、担当者の案内に従って適切なタイミングで行います。

過剰な敬語で話をわかりにくくする

敬語を使うことに集中するあまり、何を伝えたいのかわからなくなることもあります。

自然な丁寧語を使い、簡潔に話すことを心がけましょう。

ペット業界の敬語・面接マナーに関するよくある質問

Q. 動物病院の見学で「御社」と言ってもいい?

動物病院の運営法人について話す場合は「御社」が使えます。

一方、病院そのものを指す場合は、会話では「こちらの病院」、文章では「貴院」などの表現が自然です。

無理に難しい言い方を使う必要はありません。

Q. トリミングサロンの面接で敬語を間違えたら不採用になる?

敬語を間違えたことだけで、不採用になるとは限りません。

大切なのは、相手の話を丁寧に聞き、自分の考えをわかりやすく伝えることです。

Q. 動物病院の見学で診療中に質問してもいい?

質問できるタイミングは、診療の状況や施設の方針によって異なります。

動物の安全や飼い主への対応が優先されるため、見学担当者に確認してから質問しましょう。

Q. ペットショップの接客では「ワンちゃん」「ネコちゃん」と言った方がいい?

親しみやすい表現として使われる場合がありますが、必ずしもその呼び方が適切とは限りません。

飼い主やお客様の好み、店舗の接客方針などに応じて、丁寧で自然な表現を選ぶとよいでしょう。

Q. 面接で「了解しました」と言ってはいけない?

「了解しました」が常に失礼というわけではありません。

ただし、初対面の採用担当者に対しては、「承知しました」「かしこまりました」などを選ぶと、より丁寧に伝えやすくなります。

Q. 面接で敬語が難しい場合は「です・ます」だけでもいい?

基本的には、丁寧な「です・ます調」でわかりやすく話すことが重要です。

必要な場面で「伺います」「拝見しました」などの基本的な敬語を使えるよう、少しずつ練習しましょう。

面接・見学前に確認したいマナーチェックリスト

  • 訪問時間と集合場所を確認した

  • 受付で伝える自己紹介を準備した

  • 基本的な尊敬語・謙譲語・丁寧語を確認した

  • 服装や身だしなみを整えた

  • 面接室への入室・退室時の挨拶を確認した

  • 質問したい内容を整理した

  • 動物に無断で触れないことを理解した

  • 診療・施術中の安全を優先する

  • 診療情報や顧客情報の取り扱いに注意する

  • 見学・面接終了後に感謝を伝える

まとめ|ペット業界では丁寧な言葉づかいと相手への配慮を大切にしよう

動物病院・トリミングサロン・ペットショップへの就職・転職活動では、基本的な敬語やビジネスマナーを身につけておくことが役立ちます。

特に大切なのは、次の4つです。

  1. 正しい敬語を意識する:尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本を理解する

  2. 自然でわかりやすく話す:過剰な敬語やくだけすぎた言葉を避ける

  3. 訪問先への配慮を忘れない:受付・待機・入室・退室の基本を押さえる

  4. 動物と人の安全を優先する:診療中や施術中の振る舞いに注意する

ペット業界では、動物に対する知識や技術と同じように、飼い主やお客様、スタッフとの信頼関係も重要です。

難しい敬語をすべて暗記する必要はありません。

まずは基本的な挨拶やよく使う表現から練習し、相手に敬意を持って、丁寧に対応することを意識しましょう。

動物病院・トリミングサロン・ペットショップの仕事を探すならペットワークス

ペット業界への就職・転職を考えている方は、さまざまな職場の求人情報を比較してみましょう。

ペットワークスでは、動物病院・トリミングサロン・ペットショップなど、ペット業界の仕事を探すことができます。

仕事内容や勤務地、勤務条件などを確認し、自分に合った職場探しにお役立てください。

ペットワークスで仕事を探す

編集:ペットワークス編集部

本記事は、一般的な就職活動で必要な敬語と会社訪問マナーに関する過去の資料をもとに、動物病院・トリミングサロン・ペットショップなど、ペット業界の就職・転職活動向けに再編集したものです。

参考情報