トリマーの仕事はやりがいや喜びの多い仕事ですが、もちろん仕事がらの悩みもあります。女性トリマー、男性トリマーそれぞれに多くみられる悩みとはどのような内容があるのでしょうか?
■女性ならではの将来に関する悩み
女性トリマーの多くみられる悩みは、実はその職場環境にあります。トリミングショップは大抵の場合、少人数の女性スタッフだけで運営されています。
来店客も女性の方が圧倒的に多いことから、
・職場での出会いがない
・結婚適齢期を逃してしまうのではないか?
・週末出勤のため、友人と予定が合わない
という声が多々上がります。特に専門学校を卒業後、数年の勤務経験を経て、一人前と呼ばれるほどに技術が安定した時期にこのような悩みに直面しがちです。
確かに、一般的なオフィスワークや企業勤めに比べると、職場環境は特殊と言えるでしょう。この問題を解決するためには
・新たな職場へ転職をする
・習い事や趣味を見つける
・積極的に交友関係を広げる
などの方法があります。いずれの方法が正解かは決めることが出来ませんが、思い悩むよりも行動を起こす方がよいことは確かです。トリマーとして一人前と呼ばれるほどの技術があれば、たとえ数年のブランクがあっても、必ず復職が可能です。別の職種や職場に興味がある場合は、ぜひ経験をしてみることもとても良いことです。
技術があるからこそ、安心して新たなことに挑戦できるのですから、ぜひ自分らしい解決策を見つけてみましょう。
■男性ならではの収入に関する悩み
以前はトリマー、ペットショップスタッフというと完全に女性ばかりの職場でしたが、ここ数年で次第に男性トリマーの数も増加傾向にあります。
専門学校でも男性生徒の数は年々増加傾向にあります。
ただ実際の職場ではなかなか男性トリマーの定着率が低いという現状があります。この理由はまずは収入面と言えるでしょう。企業や店舗に雇用される勤務形態のトリマーの場合、新人の間の給与は15~18万円が相場です。
技術が向上し、店舗責任者となった場合でも20万円前後でしょう。この金額から社会保険などの費用を差し引くと、実質的な手取り額は13~15万円となります。
この金額では将来家族を養う事に不安を感じるという声が現実的で、この点を理由に離職することが多々見られます。
男性がトリマーとして安定した収入を得るには
・独立開業をし経営者になる
・ドッグショーへの参加など付加価値の高いサービスに特化して仕事をする
・副業とする
などの方法があります。不安を感じた時は、男性トリマーとして成功体験のある方のセミナーに参加したり、著書に目を通すという方法で解決策を見出すことが効果的です。
■男性ならではの職場環境に関する悩み
男性トリマーには収入面だけでなく、職場環境に関するお悩みも生じがちです。例えば小規模なトリミングショップの場合、専用の更衣室、トイレが完備されていることはなく、女性スタッフと共有で使用することになります。
もちろん男性の方が少数であれば、何かと気を遣う場面も多くなるでしょう。
また、女性特有の雰囲気の中で仕事をすること、意見を交わすことに息苦しさを感じることもあるでしょう。
そのようなお悩みを解決するためには、就職、転職活動の時点で男性スタッフの在籍状況や施設の利用しやすさを確認しておくとよいでしょう。
特に新人期間中はたびたびの転職はマイナス評価になりがちです。一人前と呼ばれる技術を習得するまでは無用な転職を避けるためにも、事前の確認をしっかりと行う事が大切です。
■女性ならではの結婚、出産、育児に関する悩み
女性トリマーに多くみられるお悩みに、家事、育児との両立への不安があります。このお悩みはどのような職種に従事していても生じることでしょう。
ただトリマーという仕事は自分の手に職をつけることの出来る仕事ですから、たとえ結婚を機に遠方に転居をしたり、出産、育児で数年ものブランクが生じたとしてもスムーズに職場復帰が叶う仕事です。
最近は慢性的な人材不足から短時間勤務や平日だけの勤務を可能とするトリミングショップも増えてきています。
必ずしも人生の転機がマイナスに作用するわけではないので、その都度自分にあった環境、働き方を見つけてゆきましょう。
■迷い、悩みを感じたら、経験者のふるまいに目を向けて
仕事を通じて様々な迷いを感じたり、解決できないと思えるような悩みが生じた時は、ぜひ自分の先輩、業界の経験者、年長者の言葉に耳を傾けてみましょう。
彼らはすでに同じ悩みや迷いを経験し、乗り越えたからこそ今があるのです。どのように乗り越えたのか、どのように行動したのかをぜひ積極的に情報収集してみましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。