トリマーの仕事は人手不足、トリマーは離職率が高いなどの話題を耳にするとトリマーとしての就職に不安を覚えるものです。
たしかしトリマーはサービス業ですから外見からのイメージとは異なる実情もあり、激務と呼ばれることも仕方ないといえるものです。でも毎日大好きな犬猫と共に過ごし、仕事に出来るという点は他の仕事にはない魅力ですから、トリマーの内情を知り、無理のない働き方を見つけましょう。
■トリマーが激務と言われる理由
トリマーの仕事が激務と言われる理由をいくつか挙げてみましょう。
・終日の立ち仕事
・犬猫を抱あげるのは意外に思い
・シャンプー、ドライヤー、カットと体を動かす時間が長い
・休憩時間が曖昧になりがち
などが実情です。
一般的なサービス業に比べ体力を必要とする仕事が多く、激務と言われることも仕方がないといえるレベルです。また接客でもあるので、作業の合間に接客をしたり、お客様からの要望に対応をしたり、時にはクレームが出ることもあったりと精神面での負担が大きくあることも激務とされる理由でしょう。
トリマーの仕事は大抵の職場が少人数、女性ばかりで運営されているので、精神的な負担が大きい、女性でも力仕事を担当しなければならないと感じることも多々あります。
■トリミング以外の業務の有無も大きく影響
トリマーの仕事が激務とされる理由には、実際のトリミング以外も関係しています。トリミングを仕事にするには大きく3つの方法があります。
・トリミング専門店に勤務する
・生体販売や用品販売も行う総合型のペットショップに勤務をするr
・動物病院に勤務をする
という方法です。総合型のペットショップや動物病院の場合、仕事の幅が広く、様々な経験が出来、知識も増やせるというメリットがある反面、トリミング以外の業務も日常的に生じることを覚悟しておく必要があります。
例えば
トリミングの合間に商品の陳列、発注を行う、レジ打ちをする
トリミングの後で生体管理をする
診察の補助をしつつ、合間にトリミングをする
というスタイルです。この場合、仕事に不慣れな新人の時期はあまりの多忙さに疲れ果て、激務と感じることもあります。
またトリミング専門店の場合でも、トリミングの前後に清掃や備品の管理、ペットホテルのお世話などが生じることもあり、必ずしも日々の仕事がトリミングに限らないことも激務、想像と違うと感じる理由でしょう。
もし目の前の仕事があまりに激務だと感じたり、希望にあう就職先がないと思い悩む時は、自身の5年後、10年後を想像してみましょう。
5年後には店長になっていたい
ベテラントリマーになって指名をたくさんもらっていたい
動物看護士として一人前になっていたい
トリミング競技会で優勝をしたい
独立し自分の店を出していたい
など夢は様々あるでしょう。この夢を実現するために今どんな仕事を経験すべきか、どんな技術を積むべきかを考えると、辛い激務なのかそれとも見習いとして乗り越えるべき仕事なのかを見極めることが出来ます。
■休日の取得も店舗によって様々
トリマーの仕事は体力を使う内容が多く、終日の立ち仕事に接客応対と何かと疲労感があるものです。トリマーの業界は徐々に労働環境がかわりつつありますが、まだまだ業界全体の当たり前は整備されておらず、特に休日の条件は勤務先によって大きくことなります。
例えば
・休みは平日1日のみ
・週休2日、連休OK
・月8日シフト制
・土日休みOK
などです。本来であれば休日が少ないという事はそれだけ手取り給与が増えると思うところですが、トリマーの世界では必ずしもそうではありません。
給与は大抵の場合固定給で、勤務先によってその金額にも幅があります。たとえ激務と言われる仕事であってもそれに見合った報酬を得られること、仕事のやりがいを感じられることは必ずセットにあるべきものです。
激務な上に納得のいかない待遇という場合は自分にあった働き方を探すことも必要です。
■無理のない働き方が出来ることが基本
トリマーの仕事は何より体が資本です。無理なシフトを引き受けたり、長時間労働や過剰に多い予約件数の受け入れなどが続くとトリマー自身の体が悲鳴を上げます。
中には少人数運営の店舗で十分な休暇を取得できないという事もあります。
このような激務と言われるトリマーに多い職業病は
・腰痛
・腱鞘炎
・筋肉疲労
です。いずれも慢性化しやすく一旦発症すると完治までに長い期間を要します。過度に悪化させてしまうとトリマーの仕事させ続けることが出来ないことにもつながります。
トリマー業界全体では今徐々に働き方が見直されつつあり、休暇の取得はもちろん勤務中の休憩時間や設備、備品の完備でトリマーが無理なく働けるよう整える動きがあります。
就職活動にあたっては採用されたいという思いだけを先行させるのではなく、自身が無理なく、前向きに働くことが出来る環境が整っているかも見極めることが大切です。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。