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トリマーの3大職業病は腰痛、手荒れ、 腱鞘炎

投稿日:2018年5月8日 更新日:

トリマーの仕事には職業病と呼ばれるいくつかの症状があります。これらの症状は悪化すると長期休業た退職を余儀なくされることもある深刻なものです。

中には専門学校在学中に不調を感じ始める方もいるので日々の作業においては常にこの職業病の可能性を意識しておくことが大切です

■姿勢を意識し腰痛対策を

トリマーの多くが抱える職業病は腰痛です。これは終日の立ち仕事、同じ姿勢で長時間カット作業をすること、犬を抱き上げ移動させることなどが原因で起こります。

トリミングショップの中にはカット作業中に椅子の利用を推奨している店も増えつつありますが、まだまだ業界全体では定着してはいません。これは単にお客様からの視線を意識しただけのことではなく、犬の扱いには常に危険と緊張感が伴う事から立ち姿勢の方が作業がはかどると感じることが多いためでもあります。

またトリミング作業はわずか数mmの細かな作業がたびたび生じるので、つい姿勢が前かがみになることがあります。この姿勢は作業の集中しているとさほど苦にならないものの、一息つく度に腰への負担を実感します。

腰痛は突発的に起こるわけではなく、日々の作業の疲労が積み重なり起こります。悪化するとトリミング業から当面の間離れ、療養が必要になることもあるので決して軽く考えてはいけません。

腰痛を予防するためには

・作業中は背筋の伸ばした姿勢でいること

・前かがみにならないこと

・トリミングテーブルは自身の身長に合わせた高さに調整すること

・犬を抱き上げる時、重量物を持ち上げる時は膝を曲げしゃがんだ姿勢から抱え、立ち上がること

・トリミングテーブルから数m離れた場所に鏡を置き、時々自身の姿勢を確認すること

・作業の合間に腰や肩のストレッチをすること

を心がけるとよいでしょう。

予算面で都合がつく場合は、油圧式、電動昇降式のトリミングテーブルを購入し、作業する犬のサイズによって都度テーブルの高さを調整すると腰への負担を大幅に軽減することが出来ます。

■シャンプー後のタオルドライだけでも各段の違いがある手荒れ

トリマーに多いお悩みに手荒れがあります。手荒れの原因はシャンプー剤の刺激や乾燥がほとんどです。ただシャンプー作業は地肌の感触で汚れの落とし具合を確認することもあり、ゴム手袋を装着しての作業は現実的に難しいものです。

手荒れが悪化するとあかぎれ、ひび割れが出来、出血を伴う事もあります。このような場合ハサミでの作業にも痛みが伴いなかなかスムーズにトリミングが出来ない状態になってしまいます。

市販のペット用シャンプーは人間用製品の様に法律で成分に関する厳しい規定がありません。そのため石油成分や刺激の強い成分、漂白剤の成分が含有されているものも多々あります。中には洗車用洗剤と同等の成分に香料で香りをつけただけという製品もあります。

このような刺激の強い製品を使用し、一日に数回、毎日シャンプーを行えば当然のことながらひどい手荒れが起こるものです。

トリミング作業においては経費節約よりも手への負担が少ないこと、低刺激なことをシャンプー選びの最重要項目と考えましょう。

もう1つの手荒れの原因は過度な乾燥です。

シャンプーのために濡れた手肌を即座に業務用ドライヤーで乾燥させるため、皮膚表面に最低限残るべき皮脂が水分の急激な乾燥につられ一緒に吹き飛んでしまう事で起こります。この状態を予防するためには、シャンプーを終えた後、ドライヤー作業へ進む前に自信の手肌をしっかりとタオルドライし水分をふき取ることが効果的です。これだけでも皮脂の蒸発を抑える効果があります。このタイミングでハンドクリームや保湿剤を塗り付けたくなるものですが、せっかく洗った犬の被毛がハンドクリームでべたついてしいまいその後のカット作業にも支障をきたすのでハンドクリームはお勧めできません。

■過度な作業予約は腱鞘炎の元

トリミング業務は技術の提供が収益となります。そのためつい過剰な予約を引き受けてしまったり、無理をして仕事を継続してしまうこと、自身のこだわりを実現するために長時間の継続作業を行ってしまう事も多々あります。

ただ常に同じ側の手にハサミを持ち、一定のリズムで動かし続けることから多くのトリマーが腱鞘炎を発症します。腱鞘炎は手の酷使や過度な疲労が原因で起こります。発症をするとハサミはもちろんペンを持つことさえ痛みを伴う事もあります。

トリマーの仕事は末永く続けることの出来るやりがいのある仕事です。一時の焦りで腱鞘炎を起こし、トリマーとしての仕事を諦めてしまう事にならないように過度な業務をひき受けることは避けるべきです。

腱鞘炎を避けるためには、手にも十分な休息を与えることが必要です。痛みがある場合はすぐに病院を受診し適切な治療を受け悪化することを避ける必要があります。

トリマーは体が資本ですからくれぐれも無理をしないよう仕事に取組みましょう。

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