「ペットに関わる仕事がしたい」「将来的には資格を取得してキャリアアップしたい」──そのような想いを抱いて、ペットショップでの就職を目指す方は少なくありません。しかし、応募に際して最初に直面するのが「志望動機をどう伝えるべきか」という課題です。
「ペットが好き」という想いだけで伝わるのだろうか。他の応募者はどのような志望動機を語っているのだろうか。こうした疑問や不安を抱える方に向けて、志望動機の考え方や伝え方のポイントをわかりやすくご紹介いたします。
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「動物が好き」は立派な志望理由です。しかし、それだけでは伝わらないこともあります。
採用面接では、多くの応募者が「動物が好きだから働きたい」と語ります。この気持ちは、ペットショップで働く上での基本的な動機であり、否定されるべきものではありません。たとえば、「子どもの頃から犬や猫を飼っていた」「飼ったことはないが動物に強い関心がある」「動物関連の資格取得に向けて学習中である」など、その背景は人それぞれです。
しかし、人気のある店舗や企業に応募する場合、あるいは未経験・無資格の状態で応募する場合には、「好き」という気持ちだけでは他の応募者との差別化が難しいのも事実です。そのため、「なぜその店舗を選んだのか」「どのような形で関わっていきたいのか」といった、より具体的な動機を伝えることが重要です。

「なぜこの店舗を選んだのか」──それが伝わるだけで印象は大きく変わります。
志望動機をより効果的に伝えるには、「他の店舗ではなく、なぜこの店舗なのか」という点に触れることが非常に有効です。たとえば、以下のような理由は説得力のある志望動機として受け入れられやすい傾向にあります。
- 生体販売の方針が丁寧で、動物に対する配慮が感じられた
- スタッフの接客が親切で、職場の雰囲気が良かった
- 店舗が清潔で、衛生管理が徹底されていた
- 企業全体として動物福祉や教育制度に力を入れていると感じた
このように、応募先についてしっかり調べた上で、共感した点や自分とのつながりを言葉にすることで、単なる“動物好き”ではなく、“働く意志のある人材”として評価されやすくなります。
面接で問われる「好き」と「仕事」の違い。それは責任感の有無です。
面接の場では、「動物が好きなだけでは仕事は務まらないのでは?」という質問を受けることがあります。この言葉は、応募者の意欲を試すものではなく、「業務として命を預かる責任を理解しているか」を確認するためのものです。
私たちが扱うのは、お客様の大切な家族である動物たちです。たとえば、生体販売を担当していて急な欠勤があった場合、小さな子犬・子猫の体調に影響が出る可能性もあります。自宅での飼育とは異なり、業務として関わる以上は、時間や体調の管理、衛生面への配慮など、常に責任ある行動が求められます。
この質問に対しては、萎縮する必要はありません。むしろ、「動物が好きだからこそ、責任を持って向き合いたい」という姿勢を明確に伝えることが、面接官への信頼につながります。

経験や資格は後からでも。大切なのは、学ぶ姿勢と前向きな意志です。
ペットショップでの業務は専門的な要素も多く、実際には現場での経験を通してスキルを身につけていくことがほとんどです。そのため、応募時点での資格や経験の有無が、必ずしも合否に直結するわけではありません。
求められるのは、「これから学んでいきたい」「動物に関わるプロとして成長したい」という姿勢と、誠実に業務に取り組む意思です。志望動機においても、「これまでの経験」よりも「これからの目標」や「向き合う姿勢」を伝えることで、未経験者でも十分に評価されます。
最後に──あなたの「想い」を、言葉にして届けましょう。
「動物が好き」という気持ち。それは、この仕事に就こうと考えた時点で、すでに大きな第一歩を踏み出しています。けれど、そこから先に進むには、もう一歩踏み込んで、自分なりの言葉でその想いを伝えることが必要です。
「なぜこの店舗なのか」「どのように成長したいのか」「どんな自分でいたいのか」。その一つひとつを丁寧に考え、自分の中にある答えを見つけてください。
志望動機は、単なる“採用されるための材料”ではありません。
それは、あなたが「仕事」と「夢」をつなぐための、最初のメッセージです。
誠実な姿勢と意欲がきちんと伝われば、きっとあなたの想いは届くはずです。ペットとともに歩む新しい一歩に向けて、自信を持って準備を進めてください。

「ペットワークス.jp」編集部です。ペット業界のお仕事情報を日々発信します。求職者、転職者、専門学生の皆さんのお役に立つ媒体にしていきたいと考えています。