
髪型で人の印象が大きく変わるように、
犬にとっても毛並みの手入れをしてあげることは、可愛さを引き立たせるうえで重要です。
また、皮膚のトラブルなどを防ぐうえでも、定期的にペットサロンへ愛犬を連れて行く飼い主は多くいます。
そこで活躍するのが、ご存知のとおり「トリマー」です。
近年では専門学校ができるほど、トリマーを目指す方は増えています。
しかし、トリマーを目指すうえでは、仕事内容だけでなく、
給料などの待遇面もしっかりと把握しておかなければなりません。
今回は、トリマーの平均的な年収について説明します。
トリマーってどんな仕事?

そもそも、トリマーとはどのような仕事なのでしょうか?
トリマーの仕事は、犬や猫などの毛を整えること。
それはトリマーという言葉が「トリミング(=整える)」に
由来していることからもお分かりいただけるでしょう。
簡単に言うと、「ペットの美容師」ということになります。
トリマーは、ペットの身だしなみを整えて清潔な状態に保つことが主な職務です。
ときには、ペットにも個性を求める飼い主さんからの要望に沿ってカラーリングなどを施すこともあります。
また、グルーミング(ペットをケアすること)をおこなうトリマーも多く、
シャンプーや毛のカットはもちろん、爪のカット・耳掃除などにも対応。
ペットを皮膚や耳の病気から守ります。
トリマーの平均年収はどのくらい?

ただ動物が好きという理由だけでも、トリマーを目指すには十分な動機です。
しかしトリマーの学校などに通い本格的に目指し始めるのではあれば、
年収などの待遇もしっかりと知っておく必要があるでしょう。
ここでは、トリマーの初任給や勤務先別の平均年収を紹介します。
トリマーの初任給はどのくらい?
トリマーの初任給は決して高額ではありません。
初任給の平均は15万円前後と言われており、年収にすると180〜250万円ほどです。
2年目以降は勤め先によって給料の振り幅が変わるため、
あくまでも1年目の平均だと解釈していただきたいです。
また、トリマーの主な活躍場所であるペットサロンは、賞与(ボーナス)がないお店も少なくないので、
新人トリマーについてはあまり「稼げる」とは言えません。
勤務先別の平均年収
トリマーは勤務先によっても年収や待遇が異なります。
トリマーが活躍する場所は主にペットサロンですが、
近年ではペットショップや動物病院でもトリミングサービスを提供しているところが増えています。
そこでここでは、ペットサロン勤務・ペットショップ勤務・動物病院勤務の
3箇所で働くトリマーの平均年収を紹介します。
ペットサロン勤務
トリマーが活躍する場と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、「ペットサロン」です。
ペットサロンで働くトリマーの平均年収は、260万円ほどです。
ひと言でペットサロンと言っても、お店の種類は個人経営の店からチェーン店などさまざま。
お店の種類によっても、待遇は異なります。
個人経営の店ではボーナスのない店が多く見られ、
大手ペットサロンではボーナスをはじめとした福利厚生が整っている店が多いでしょう。
しかし、個人経営の店は待遇をあまり期待できない代わりに、
特別手当が支給されたりお客からの指名がとれることで歩合制となったりすることもあります。
また、少人数の店舗であれば広範囲の仕事を任せてもらえる機会も増え、
効率よくスキルアップを期待できるでしょう。
ペットショップ勤務
ペットショップでもトリミングサービスをおこなっていれば、トリマーとしてそこで働くことができます。
ペットショップで働くトリマーの平均年収は、290万円ほど。
ペットサロンと比べると大手のチェーンも多く、平均年収は高めであることがわかります。
しかしペットショップで働く際には、少し注意が必要です。
収入を高く設定している分、お店によってはトリマーもペット用品を販売しなければならなかったり、
販売するにあたってのノルマがあったりする場合も。
事前によく確認しておきましょう。
動物病院勤務
動物病院では、身だしなみを整えるよりも治療の一環として
トリミングサービスを提供しているところが多くみられます。
動物病院で働くトリマーの平均年収は、290万円ほどであることが一般的。
前述したように美容面よりも、皮膚の病気予防などの健康面を優先したトリミングになることが多いでしょう。
また、動物病院は福利厚生や手当てなどがしっかりしたところが多いのが特徴。
病院によっては飼い犬のワクチンなどを無料でおこなってくれるところもあるなど、
ペットを飼っている方へのサポートが充実しています。
トリマーの福利厚生は?

トリマーがおかれる労働環境は、あまり理想的ではないというのが正直なところ。
特に個人経営のトリミングサロンなどは、福利厚生が整っていない店舗も少なくありません。
大手チェーンなどでは、福利厚生が整った店舗も増えていますが、まだ完全とは言い切れないでしょう。
トリマーとして長く働きたいのであれば、福利厚生は重要なポイント。
しっかりと確認してから就職することをおすすめします。
正社員以外の平均年収はどのくらい?

ここまでは、あくまでも「正社員」として働くトリマーの平均年収を紹介しました。
ここからは派遣社員・アルバイト・独立開業(個人事業主)と、
3種類の雇用形態に分けて平均年収を紹介します。
派遣社員
派遣社員として勤務するトリマーの給料は、時給制。
平均的には、時給1,000〜1,400円ほどであることが多いでしょう。
1日8時間勤務をして、月に20日(月〜金)働いたとすると16〜22万円ほど。
給料だけを見ると、正社員と大きな差はありません。
アルバイト
アルバイトのトリマーは働く地域によって時給に差があり、時給750〜1,200円であることが多いでしょう。
トリマーは技術職に分類されますが、一般的な飲食店などのアルバイトと比べて、
あまり時給に差がないことが現状です。
独立開業
ある程度の技術が身につき、個人でお客を持てるようになったら独立開業することもおすすめ。
独立開業した場合の年収には、人によってかなりの差があるため「平均」を出すのは難しいでしょう。
軌道にのって収入が安定するまでは大変ですが、
人によっては年収が450〜1,500万円と、正社員の頃よりも遥かに高額となる方も。
トリマーで高収入を目指すなら、独立という選択肢もよいかもしれません。
まとめ

トリマーの平均年収について説明してきました。
残念ながらトリマーは、全体的に収入が低めで福利厚生などにも注意しなければならない、厳しい業界です。
しかし、独立すれば年収1,000万円以上も可能なので、目指す価値は十分にあります。
また、給料以外の面では職務でペットと触れ合えるため、動物好きにとっては夢のような仕事かもしれません。
正社員、アルバイト、派遣、また女性転職、新卒などそれぞれ特化したサイトがありますので、
ご自身の働き方にあったものを選ぶと良いでしょう。

「ペットワークス.jp」編集部です。ペット業界のお仕事情報を日々発信します。求職者、転職者、専門学生の皆さんのお役に立つ媒体にしていきたいと考えています。