ペット業界への就職や専門学校進学を目指す方にとって、「志望動機」は自分の思いを伝える最も重要なパートのひとつです。
しかし、「犬が好き」だけではライバルと差をつけるのは難しいという現実もあります。
本記事では、トリマー志望者が志望動機を考える際のポイントと、面接官の心に届く具体的な例文を解説します。
Contents
志望動機が重要な理由
トリマーの就職活動では、実技試験や成績ももちろん重要ですが、「どんな思いでこの仕事を目指しているのか」を伝える志望動機が合否を大きく左右する場面が多々あります。
特に求人倍率が高い店舗では、最終的な判断材料として「志望動機」が重視される傾向があります。たとえ同じ学校を卒業し、同じようなスキルを持っていたとしても、熱意が明確に伝わる人材が選ばれるのです。

「犬が好き」だけでは不十分な理由
もちろん、「動物が好き」「犬が好き」という思いはトリマーを目指す大切な原点です。ですが、採用の現場ではそれだけではアピールにならないことが多くあります。なぜなら、応募者のほとんどが同じような気持ちを抱いているからです。
また、トリマーの仕事は「好き」だけでは続けられない一面もあります。体力的にも責任的にも負荷がかかる仕事だからこそ、「なぜこの仕事に本気で取り組みたいのか」「どんな未来を描いているのか」を具体的に伝えることが大切です。
採用担当者が見ているポイント
採用側が志望動機で見ているのは以下のような点です:
- 業界や店舗への理解があるか
- 長期的に働く意志があるか
- 職場にどんな貢献ができそうか
- 志望理由に「納得感」があるか
これらを踏まえて、志望動機を「自分語り」ではなく、「相手に伝わるメッセージ」にすることが求められます。

志望動機の組み立て方【4ステップ】
具体的な志望動機を作成するための4つの視点をご紹介します。
STEP 1|自分の「好き」や「得意」を深掘りする
- 特に好きな犬種は?
- 得意なスタイルカットは?
- トリミングのどんな工程が好きか?
STEP 2|学びや経験を整理する
- 学校やアルバイトで得た経験
- 印象に残っているエピソード
- 苦労したことと、それをどう乗り越えたか
STEP 3|応募先をしっかりリサーチ
- 店舗・病院の特徴、理念、サービス内容
- 他の店舗との違いや魅力
- そこで働くイメージが持てるか
STEP 4|今後の目標や将来像を言語化
- 入社後に習得したい技術や業務
- どんなトリマーになりたいか
- 中長期的なキャリアビジョン
応募先別・志望動機の実例
以下に、実際の応募シーンを想定した志望動機の例を2つご紹介します。
■ 実例1:プードル専門のショーブリーダー店舗を志望する場合
「御社はプードルの繁殖やドッグショーへの参加など、多角的に活動されている点に魅力を感じ、志望いたしました。
私自身もプードルに深い関心があり、基礎的なトリミングだけでなく、ブリーディングやショートリミングなど、より専門性の高い分野に関わりたいという思いがあります。
高度な技術を持つスタッフのもとで経験を積み、いずれはプロフェッショナルとして認められるトリマーを目指したいと考えております。」
■ 実例2:トリミング施設併設の動物病院を志望する場合
「貴院がトリミングと医療の両面から動物のケアを行っている点に大きな魅力を感じ、志望いたしました。
私はトリミングを通して飼い主様との信頼関係を築くと同時に、ペットの健康管理についても学びを深めていきたいと考えております。
トリミングの現場だけでなく、予防医療や日常のケアについても意識の高い飼い主様を支えられる存在を目指したいと思っております。」
※志望動機に加えて、応募先の具体的なサービスや実績に言及できると、説得力がさらに増します。
まとめ:熱意を「伝わる形」に変えよう
志望動機は、自分の思いや目標を“伝わる言葉”で届けるための大切なツールです。
「犬が好き」「動物に関わりたい」という思いを、 「この仕事を選んだ理由」「この店を選んだ理由」「この先やりたいこと」に落とし込みましょう。
自分らしい言葉で、前向きな姿勢と誠実な熱意を表現することが、志望動機を成功させる最大のポイントです。

「ペットワークス.jp」編集部です。ペット業界のお仕事情報を日々発信します。求職者、転職者、専門学生の皆さんのお役に立つ媒体にしていきたいと考えています。