様々な動物たちの命を守る獣医師。
その獣医師を支える「動物看護師」もまた多くの命を預かる責任ある仕事です。
動物看護師になるために国家資格は必要ありませんが、通過しなければならないのが就職活動での面接。
履歴書を書く際に、多くの人が頭を悩ませる箇所が「志望動機」かと思います。
動物が好きであることをそのまま伝えればよいのか、
もっと動物看護師ならではの点に着目して書かなければならないのか…。
今回は動物看護師を志す方へ、参考にしてもらいたい志望動機の書き方を紹介します。
動物看護師とはどんな仕事?
動物看護師は患者であるペットに対し、医療行為を行うことはありません。
しかし獣医師の補助や手術の補助をはじめ、
入院している動物たちの体調管理など、業務の責任は大きいでしょう。
また近年では動物病院以外にも、飼い主が旅行へ行く際などに預けられる
「ペットホテル」で働く動物看護師も多く存在します。
そこではペットホテル内の他スタッフと協力して、預けられたペットの体調管理を専門に担当。
勤務地が違っても、動物看護師の業務は動物の健康を守ることです。
動物看護師になるには?
動物看護師になるには、具体的にどのようなルートがあるのでしょうか?
動物看護師は、獣医師とは違い、必ず必要な国家資格などはありません。
また近年多く見られる動物看護師の専門学校などを卒業していないとなれないというわけでもないでしょう。
そのため「動物看護師」は、平たく言うと就職先さえあれば、誰でもなることができると言えます。
しかし近年では、動物看護師にも均一なレベルが求められるようになりました。
そこで、国家資格ではありませんが、2011年に「動物看護師統一試験」という試験が登場。
いまのところ、この試験の合格者が最も信頼性の高い「動物看護師」と言えるでしょう。
ただ「動物看護師統一試験」も、法律で定められているわけではなく、
あくまでも動物看護師のレベルが一定の基準に達していることの証明に過ぎません。
しかし就職においては資格取得が有利にはたらくケースが多いので、
取っておいて良いに越したことはないでしょう。
どんな人が動物看護師に向いている?
大切なペットの命を預かる、動物看護師。
誰でもなることはできると前述しましたが、やはり人によっては向き不向きがあるでしょう。
では一体どのような人が動物看護師に向いているのでしょうか?
コミュニケーション能力が高い人
言葉を話さない動物相手だからと、一見あまり重要とされなさそうなのが「コミュニケーション力」。
しかし言葉を話さない動物の代わりに、様々なことを代弁し飼い主に伝える役目がある動物看護師にとって、
コミュニケーション力は必要不可欠と言えるでしょう。
動物だけでなく、獣医師が定めた治療の方針や処方する薬についても、
素人に分かりやすく説明しなければなりません。
動物が好きであることはもちろんのこと、飼い主とペットとの関係をサポートする能力も重要です。
協調性がある人
動物看護師が主に活躍する場は動物病院です。
院内では獣医師と他の看護師がチームを組み、1匹1匹の動物を支えています。
そのため、しっかりと仲間意識を持ち、周囲がどのように動いているのか察知する能力が必要となるでしょう。
そのため協調性に欠け、チームワークを乱す方では動物看護師に向いているとは言えません。
体力に自信がある人
動物看護師は、想像以上にハードワーク。
診察台のうえで暴れてしまう大型犬などを押さえつけたり、
入院中の動物たちを必要に応じた距離の散歩をさせたりと、体力勝負な面が多々あります。
そのため、一定の体力をつけることは重要でしょう。
動物看護師の志望動機には何を書く?
ここからは本題である「動物看護師の志望動機」について説明します。
コミュニケーション能力・協調性・体力など、必要となるスキルが多い動物看護師。
当然志望動機にもただ「動物が好き」ということでは、
ペットショップのスタッフやトリマーなどの職業とも共通しているため、
動物看護師である必要性が伝わりにくいでしょう。
ここでは志望動機の例文を基に、おすすめの志望理由を紹介します。
志望動機の例文
動物看護師の志望動機としては、
大きく分けると以下2つのパターンがあるので、それぞれの例文と共に紹介します。
- 実体験を基にした志望動機
「昔、犬を飼っていましたが病気で亡くしてしまいました。
当時は治療法がなく、どうすることもできずに悔しい思いをしました。
しかしお世話になった動物病院の先生や看護師さんに励まされて、気持ちが楽になりました。
その経験から動物看護師を志すようになりました」
- 夢や目標を盛り込んだ志望動機
「テレビで、歩けなくなってしまった犬に車椅子を作って
サポートしている獣医師や看護師の姿を見ました。
少しずつ歩けるようになるまで、根気強くサポートしていた彼らを見てから、
こうした仕事に関わりたいと考えるようになりました。」
過去に飼っていたペットを病気やケガで亡くした経験のある方は
それを盛り込んだ志望動機を作成することが多いです。
また志望する動物病院の特徴(リハビリに力を入れているなど)を盛り込むと、
内容に厚みのある志望動機となるでしょう。
面接で聞かれること
では動物看護師の就職面接の時には、どのようなことを聞かれるのでしょうか?
最も多い質問は以下のような事柄です。
- 志望動機
- 動物看護に関するスキル
- 学生時代の経験
- 自分の長所や短所
- どのような動物看護師になりたいか
架空の話を創る必要はありませんが、できれば「学生時代の経験」について
動物とのふれあいに関する話ができると尚良いでしょう。
動物看護師の志望動機で重要なポイント
最後になりましたが、動物看護師の志望動機において重要なポイントを説明します。
自分の言葉で伝えることはもちろんですが、他にも以下のようなポイントを押さえておくことも重要です。
前提として動物好きなこと
やはり最も重要なことは「動物好きであること」です。
イメージと異なり、ハードワークである動物看護師は、
動物が好きという気持ちがないと、なかなか続けていくのは難しいでしょう。
命を預かる意識があること
次に重要なのは「命を預かる自覚」です。
ペットショップの店員やトリマーなども、小さな命を預かることに変わりはありませんが、
病気やケガを抱えた動物を預かるのは動物病院だけ。
それ相応の覚悟があることを、面接時にも伝えられると良いかもしれません。
まとめ
動物看護師の志望動機について説明しました。
どんな動物でも、飼い主にとっては大切な家族です。
その命を預かる仕事である「動物看護師」は動物の健康を守るだけでなく、飼い主の「心のケア」も重要。
それらを踏まえて、真摯な思いを伝えられる志望動機を作成してみてください。
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