動物病院で働く動物看護師は、専門的な能力を求められる一方、どれくらい稼げる職業なのでしょうか?
人の看護師は高給取りという話を聞いたことはありませんか?私も知人に聞いた事があります。
その差は、やはり国家資格か?民間団体の資格か?だと私は思います。
月収や年収、その他の保証や待遇、勤務する動物病院の規模やスタッフ数、患者数、勤務地によって大きく変動してしまう職業であることは分かっています。
今回は動物看護師の月収や年収についてお話したいと思います。
動物看護師の初任給
勤務する動物病院の所在地や県、動物病院の場所によって様々ですが、初任給は、おおよそ月額15万円から17万円ではないでしょうか?
月額の給料から毎月、
所得税・市県民税・厚生年金・社会保険・雇用保険 などが差し引かれ手取りは、13万円から15万円。
動物看護師の平均年収
初任給が(基本給)15万円でボーナスの支給が無い場合は、平均で180万円程度。
ボーナスが支給される場合であれば、(ボーナスは基本給を基礎とし基本給の倍率によって変わります。
例えば、ボーナスが基本給1.5倍支給される場合・年2回の支給で)平均240万円から300万円程度となります。
平均の労働時間
動物看護師として働いている労働時間はどれくらいだと思いますか?経験からして残業手当など支給してくれる動物病院は少ないと思います。
だいたいの労働時間は8時間から9時間その内、昼休みが1時間から1時間半の労働が平均のようです。患者数が多い動物病院は昼休みがしっかり取れない病院もあります。
その場合、多くの動物病院は、動物看護師同志が交代で休憩を取っています。
また夜間救急専門や24時間体制の動物病院などで働く動物看護師は二交代制や三交代制など通常の動物病院に比べて勤務体勢が異なるので事前に確認が必要だと思います。
その他の待遇
たくさん引かれるものもあれば、勤務する病院によって交通費や住宅手当など基本給にプラスされることもあります。
その他にも病院の規模やスタッフの人数によっては、リフレッシュ休暇や有給休暇など従業員に対する配慮がある動物病院もあります。
社会保険等も従業員本人だけではなく、扶養している家族に対しても多くの保証をしてくれる会社もあります。扶養家族が受けるインフルエンザ予防接種などの補助金や健康診断の補助金などの保証もあります。
社会保険については動物病院の殆どが個人企業主なので社会保険の有無についても確認しておいた方が個人で国民保険など個人で加入する場合は金額の負担が大きい場合があるので扶養の件も含め確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
動物看護師は稼げる職業なのか?参考になったでしょうか?
結論からいうと、動物看護師の職業は専門分野で専門的知識を求められる職業ですが、実際の月収や年収についてはあまり恵まれた環境ではありません。
年に1度、昇給がある場合や、ボーナスが支給される場合は恵まれている方かもしれませんね。
個人事業主である動物病院は、従業員に対しての保証でもある社会保険や厚生年金を取り入れることは動物病院側にも大きな負担がかかります。患者数が少なく売り上げが少ない動物病院の場合は負担できない事が多いのが現状です。
社会保険・厚生年金・雇用保険などが揃った求人を出せる動物病院は少ないかも知れません。
私が勤務していた動物病院は比較的大きい動物病院で、「有限会社」を立ち上げるだけのことはあり保証は充実していた方だと思います。
そして従業員数も多く患者数も多かったので、休憩が取れない事も多々あり、残業も多い方でした。それでもやりがいを見つけれたことで20年勤めることができました。
他の動物病院で働いたことがないので言い切ることはできませんが、知人が勤める動物病院には、社会保険も厚生年金もありませんでした。
もう一つ、就職を決める際に確認して欲しい事があります。
それは忌引きや産休、育児休暇の有無です。
一般の企業では身内(両親のどちらかが亡くなった場合)が亡くなった場合、約1週間の忌引き休暇が設けられています。
私が勤務していた動物病院は従業員に対しての保証は全てそろっていましたが、忌引きなど一般の企業では当たり前の休暇が殆ど無いに等しい状況でした。
産休や育児休暇も同じです。この件は後にまとめてお話したいと思いますが、一般企業の会社であれば産休は(または産前産後休暇とも言います)出産の6週間前~産後8週間は働く事ができないので休暇扱いとなります。
育児休暇とは、出産から約1年、子供が1歳になる頃までは休暇が誰でも取得することができます。
社会保険や厚生年金など従業員にとっては就職を決める際に確認しておきたい項目なのですが、動物看護師の多くは女性です。女性が働きやすい環境であることも就職をきめる時に重視したい項目の1つだと思います。
女性が働きやすい環境であれば多くの動物看護師は離職していないかもしれません。

元動物看護師。20歳の時に、近くの動物病院へ動物看護師として就職。それから20年、動物病院でチーフ看護師をしていました。2015年3月、出産を気に、退職。現在は、子育てをしながら、新人看護師のためになる記事を執筆中。そして現在、10歳のシーズ、13歳のアメショを飼ってます。