トリマー

【体験談】わたしの理想のトリマー像

投稿日:2018年7月10日 更新日:

理想のトリマーは?と聞かれ

・カリスマと呼ばれる人

・都内の有名店でチーフを勤めている〇〇さん

・たびたびメディアに登場する〇〇さん

とトリマーに成りたての頃の私は迷わず応えていました。

当時は技術を向上させたいと強く思っていて、カットスタイル集を購入したり、WEBでいろいろなカットスタイルの画像を集め連練習をしたりと一生懸命でした。

もちろん当時の私にとって彼らは憧れの存在であり、トリマーという個人の主観が評価される世界で名をあげるには相当な努力があったことでしょう。

■新人を育てることが出来る人

今トリマーとして経験を積んだ私が考える理想のトリマーは新人を育てあげることの出来る人です。

新人を育てるという事は決して簡単なことではありません。

学校の授業で講師が生徒に技術指導をするのと、職場で新人を育てるのとではまるで違います。

職場では教えることが仕事ではなく、仕事はお客様の犬猫をきれいにトリミングをすることです。自分の作業と並行して新人の作業に目を配り、危険がないかを常に気にかけ、上達のためのコツを教えます。

つまり新人1人を受け入れるという事は、自分の仕事が何倍にも増えるということです。

私は新人を育てることがとても苦手でした。

つい新人の指導が後回しになるりがちで、時には指導をし実践をさせるより自分自身で作業をしてしまっ方が早いとさえ思っていたほどです。

しかしこれではいつまでたっても新人は上達しないばかりか仕事のやりがいも見つけられず退職をしてしまう事もあります。

だからこそ新人を育て、一人前にまで仕上げることの出来るトリマーは素晴らしいと感じ、まさに理想像だと感じるのです。

具体的な指示が出来る人

新人のトリマーを育てる上で大切なことは相手にわかりやすい言葉で指導をするという事です。

トリマーの技術は個々の主観やセンスが大きく影響します。お客様からのオーダーも曖昧な表現が多く、いかにニュアンスを理解し具現化するかが重要です。

例えば多くみられるパターンは「顔は丸く切ってください」というオーダーです。丸顔に仕上げると童顔に見え、可愛らしい表情に仕上がります。

しかしこの「丸」の感覚は個々のトリマーによって大きく異なります。

新人トリマーはどれだけ切っても丸くならないという事もあれば、ベテラントリマーはほんの数か所手直しをしただけでお客様が大満足をする丸に仕上げることも出来ます。

この時、新人トリマーに「見て覚えて」というだけではいつまでもたっても上達には結び尽きません。

新人を一日も早く上達させるためには

・どの部分を

・どのくらいの長さで

・どの角度から

切れば丸に仕上がるのかを具体的に言葉で説明をします。

ベテランの作業を見て覚えるだけでは、いかに作業が難しいかは想像できませんが、具体的に1,2mmカットすると言われれば如何に難しい作業かを想像出来ます。

このように具体的に指示が出来る人というのは、自分の仕事を客観的にとらえることが出来ているという証でもあります。

そのためこのようなトリマーは自分のカットスタイルをイラストで描き、具体的なカットのコツを言葉で書きたすことも出来ます。

このようなトリマーであれば新人トリマーもより具体的な質問が出来る上に、自身の至らない箇所を自分で見つけ、改善に取り組むことが出来ます。

このことは一見簡単なようにもおもめますが、実はとても難しいものです。トリミング作業の中で自身の仕事を客観的にとらえ、言葉で他人に説明をするという事は敢えて意識をしなければできない事だからです。

このことからも新人を育てることに如何に前向きに取り組んでいるかを伺い知ることが出来、まさに理想の上司、先輩と言えるでしょう。

■自分らしく働いている人

長年トリマーをしていると、毎日同じ作業、同じような犬種ばかりとなんだか単調な仕事に退屈さを感じることがあります。

かといって異業種への転職は抵抗があり、本気で臨んでいるわけではありません。

そんな時、私は「ボランティアトリマー」という話題を目にしました。

このボランティアトリマーとは、動物保護施設や保険所へ収容された飼育放棄犬猫を無料でトリミングするという活動です。

これらの犬猫は長年の劣悪な飼育環境のせいで被毛は毛玉になりまるで鎧のようです。

長く伸びた爪は肉球にささり、悪臭も放っています。

当然一般的なトリミングショップを利用することは断られてしまう上に、利用をするには一匹10000円近くも費用が掛かります。

しかし新たな飼い主を探すためには病気を治療し、身ぎれいにしなければ出会いのチャンスさえありません。

そのような犬猫のために施設へ足を運び、活動を行うトリマーはトリマー同士の口こみで全国に活動の輪を広げています。

日々の仕事がつまらないと嘆くよりも、自身の経験や技術を生かし出来ることがある、新しい事に挑戦することが出来ると前向きに取りくむ姿勢はまさに私の理想とするトリマーです。

ぜひトリマーを目指すうえで、自分なりの理想のトリマーを見つけ、目指してください。

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