ペットシッターの資格を取得したい、就職、開業をしたいと考えるうえで、どのくらいの収入が見込めるのかはとても気になることでしょう。
ペットシッターの仕事はまだまだ認知度が低く、どのようなサービスを受けることが出来るのか、どこへ依頼をすればいいのかという事を知らない飼い主さんも大勢います。
そのためまだまだペットシッターの仕事だけで十分な収入を得られているという方が少ないのが実情です。
ただ今後共働き世帯の増加やペットの介護、高齢化問題などを受け、様々なサービスが望まれる中で仕事として安定し、収入増加へつながることも大いに期待できます。
ぜひ様々な経験を通じてお客様、飼い主さんの要望にあったサービスの提案、提供を目指しましょう。
■ペットシッターの給与と年収
ペットシッターの仕事を個人で開業する場合、収入は自分の働き方次第で大きく変動します。
積極的に営業、告知活動を行い、臨機応変に対応することで、月々まとまった収入を得ることも出来るでしょう。
一般的なペットシッターの利用代金の一例は下記です。
小型犬の散歩、食事、猫、小動物等留守宅でのお世話代行 1回 2000円
中型犬の場合 1回 2500円
大型犬の場合 1回 3000円
自宅へ直接訪問をするので、ペットホテル利用に比べ若干割高な料金設定になることが一般的です。
中には多頭飼いの場合もあり、頭数や内容に応じて追加料金となります。
旅行などで長期不在が続く場合は、1日2回、3回の訪問となり、都度見積もりを提示したうえで契約に至ります。
ペットシッターの利用はゴールデンウイークやお盆休み、大型連休、年末年始の立て込むことが多く、このような時期は1日に数件もの家を掛け持ちで訪問することもあります。
このような時期は収入も増加し、一月で5~10万円の収入がみこめることもあります。
しかし平常月や連休のない時期、レジャーシーズンから離れてしまう時期は収入がないという事も珍しくありません。
年収で計算した場合も、季節による変動が大きいことから30~50万円ほどが目安になります。
ペットシッターの仕事は各家庭の効率的に訪問するため車の利用がかかせません。経費を収入から差し引くと決して仕事として十分な収入とは言えないでしょう。
■定期利用者を獲得することが収入の安定化につながる
ペットシッターの仕事で収入を安定させ、専業として従事してゆきたいと考えるならば、留守宅訪問というサービスだけに特化せずに幅広い内容の依頼に対応することが必要です。
具体的には
・子犬のしつけ
・散歩の代行
・老犬介護
・動物病院への通院代行
・用品の配達
などです。多忙な飼い主さんが抱える悩みや負担をヒアリングし、どのような形で協力が出来るかを自ら考え、提案をします。
近年、ペットの高齢化が進む中でペットの介護の為に仕事を辞めたという方、勤務時間を調整したという方も増えています。
まだまだペットの介護という理由は周囲から理解を得ることが出来ず、難しい立場に悩む方も大勢います。
中には飼い主さん側の都合でペットの世話が難しいというケースもあります。
ペットシッターとして安定した収入を得ている方の中には、週に数回、毎日という頻度でお客様の自宅を訪問しペットの世話を代行するというスタイルで仕事をされている方も増えています。
サービスの幅を広げることで、このような長期、継続的利用が見込める方法を見出すことも考えてゆきましょう。
■業務提携が可能な同業者を見つけることも必要
ペットシッターの仕事で誰もが抱える課題は、
・新規顧客の獲得
・集客
・予約の獲得
つまりいかに仕事を得るかです。
多くの方はHPやSNS、地域情報誌を活用し、広告宣伝を行うことで仕事をアピールし集客につなげています。
しかし留守宅への訪問や自宅の鍵を預けることにやはり抵抗を感じられてしまう事が多く、なかなか新規顧客の獲得は難しいものです。
この問題を解決するためには、信頼関係のある方からの「紹介」という方法があることも知っておきましょう。
具体的には
・動物病院
・トリミングショップ
・ペットショップ
へ営業活動を行い、顧客の紹介や自身のサービス告知の協力を得ることです。
動物病院には多くの高齢のペットが来院します。中には寝たきり生活が続き、家族が困り果てているケースもあります。入院をさせることも可能ですがペットのストレスや費用を考えると、入院療養も難しい問題です。このような時に自宅を定期的に訪問し介護を代行したり、ペットの入浴やお手入れを代行したり、場合によっては通院時の送迎を引き受けてくれる存在としてペットシッターを活用していただくのです。
ペットシッターはお客様との信頼関係が何より大切です。営業や広告を行ううえでも、1件1件の対応を丁寧に行うことで仕事、収入が安定するよう取り組みましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。