動物飼育員の仕事は体力が欠かせません。どんなに動物が好き、専門学校を卒業したという熱意のある方でも中には体力を理由に諦めてしまうこともあります。でも動物園や水族館には様々な動物が生活しています。中には女性に向いた業務もあるので、必ずしも先入観だけで夢を諦めることの無いよう意識しておきましょう。
■体力が欠かせない仕事
動物飼育員や水族館勤務の仕事は周囲から見るだけでも体力が欠かせない職業だとわかるでしょう。
イベントで見かける飼育員の姿がエサが入った小さな入れ物を持ち歩く、動物と触れ合う場面ばかりですが、実際には数十キロものエサやゴミを運んだり、何時間もかけて清掃をしたりと日々体力が欠かせません。
もちろん動物園や水族館は園内だけでなくバックヤードに相当はスペースを確保していますから、日々の仕事での移動だけでも疲れるという声もあります。
日常生活ではここまでハードな場面に直面する機会は早々ないので、就職してから数か月、半年と体が仕事に慣れるまでは疲れ果ててしまうでしょう。
ただ体力が欠かせない仕事ではあるものの、毎日続けることで徐々にコツを覚え、身のこなしもスムーズになるものです。力の入れ加減も調整出来るようになります。
若い新人よりも年配のベテランの方が重いものをスムーズに運べるのはそのためです。
決して楽な仕事、楽しいだけの仕事ではないことは理解が必要です。
■好きなことと出来ること、向いていることの違いを受け入れる
動物が好き、小さなころから飼育員の仕事に憧れていた、中には特別思い入れがある動物がいるという方もいるでしょう。この動物の飼育員になりたいと明確な目標をもって就職活動をされている方もいます。
でも動物飼育員の仕事は来園者の目線からでは見えない部分の仕事がたくさんあります。
どんなに長年憧れていた動物であっても、その動物の世話に必要とされる仕事が自分には向いていない、不可能ということもあるでしょう。
例えば象の飼育で考えてみましょう。
象が毎日必要とするエサの量は数十キロです。この量の野菜や干し草を運び、刻み、獣舎で配布します。作業は一日何時間もかかるほどです。エサの準備の後は排泄物の片づけです。ここでも数十キロもあるゴミを掃き出し、運搬しなければなりません。合間の時間で獣舎を掃除したり、健康管理に目を配り、場合よってはイベントの運営を任されることもあります。
施設によっては施設内の樹木の伐採や雑草取りなども飼育員達が分担をして行っています。
来園者という立場で見ていた時には知ることの出来なかった役割はたくさんあります。
かといって動物飼育員の仕事は体力自慢な男性だけが従事する仕事ではありません。動物園にも水族館にも飼育員として活躍されている女性は大勢います。最近は専門学校が各地に増えたこともあり、女性飼育員の方も増えています。ただ来園者の立場から見る仕事内容だけを考えてみても新人の女性飼育員には難しいことがわかるでしょう。
かといって動物飼育員の仕事全てが女性に不向きな訳ではありません。
例えば鳥類の飼育や小動物、小型の動物の飼育なら体力的な負担も大幅に軽減出来るでしょう。
複数のスタッフで担当する動物であれば、それぞれが作業を分担することで個々の負担軽減にもつながります。
肉食動物よりも草食動物の方がエサの重量は軽く済みます。
施設によってはイベント運営専門のスタッフを設けることもあります。
獣医師の補佐という役割もあります。
実際に仕事をしてみると、これまで感心の無かった動物の意外な一面を目にすることも多く、新たな魅力に気が付くものです。
動物飼育員の仕事は日々全ての役割において体力が欠かせない仕事です。どのような担当職に就いてもOLやサラリーマンのようなデスクワークに比べると負担になる部分もあります。でも夢をもって、動物への愛情があって、狭き門である就職活動に打ち勝って、手に入れたチャンスです。動物飼育員という立場になったからには、その環境や条件、施設の中で自分には何が出来るのか?どんな仕事が、何が向いているのか?を見つけ出すことが出来たなら、きっと動物飼育員として活躍することが出来るでしょう。
■日ごろから体力アップを意識することも大事
動物飼育員の仕事を目指すなら、就職活動やその後に向けて日ごろから体力アップを心掛けておきましょう。
運動をする習慣、体を動かす習慣をつけることが大切です。学生の場合は体力を必要とする仕事、重いものを持つ仕事などに積極的に従事することもおすすめします。
動物園はもちろんのこと、動物関連の施設でのボランティア活動なども将来にきっと役立つでしょう。
時間を見つけランニングやウォーキングなども効果的です。
なかなかこのような習慣をつけるのは難しいと感じることもありますが、将来きっと役に立つはずです。就職活動においてはアピールポイントにもなるでしょう。
ぜひ自分なりの方法を見つけ取り組んでゆきましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。