動物飼育員の専門学校が続々と各地に開校し、子供の頃からの夢をかなえたいと進学した方も多いでしょう。
でもいざ就職活動を始めてみると、想像以上に狭き門だということに気が付くでしょう。特に新卒、未経験者の場合、厳しい採用状況に諦めてしまうこともあります。憧れの職業にどうしたら就くことが出来るのかを考えてみましょう。
■未経験、無資格での採用もある?
実は動物飼育員の仕事は特別な資格制度がありません。一部の職種では獣医師の募集枠もありますが、実際に毎日獣舎で仕事をするうえでは、資格による条件は定められていません。
動物園で扱う動物は、その大半が野生種ですから、なかなか事前に知識や経験を積むことが出来ず、資格制度の確立も難しいのでしょう。
つまり就職する時点で誰もが新人、無資格、未経験という状況に直面するのです。
中には自分は未経験だから・・・無資格だから・・・就職に結びつかないと感じる方もいるでしょう。でも実際にはそれだけが理由ではありません。
動物飼育員の仕事は募集人数自体がとても少ない上に、不定期で採用、増員が行われるので、タイミングも多いに関係しています。
無資格、未経験であっても可能性がないということではないという事をしっかりと理解しておきましょう。
■専門性が高いがゆえに経験者の採用も難しい
動物飼育員の仕事でももちろん経験者の採用、転職は積極的に行われています。
でもあまりにも施設の数や扱う動物の専門性が高いからこそ、安易に転職を考える方も少なく、施設側もなかなか経験者の採用には至りません。
経験者の中には退職後、この仕事から完全に離れてしまう方が多く、別の施設へ再就職となるケースも限られています。
つまり動物園側も欠員が出た時や増員が必要なタイミングには、未経験者や新卒を採用することが必然です。
専門学校在学中に実際に現場で働く先輩たちの姿を目にすると、あまりにテキパキと動きまわる姿、知識の豊富さに自信を無くしてしまうこともあるでしょう。
でも誰も必ず未経験、無資格な道を通過しているという事は改めて受け止めてみましょう。
■専門学校卒業は一歩リードにつながる
動物飼育員の仕事は、専門的な知識があることはもちろんですが、動物を扱う経験、接する経験を積んできたかどうかということも大きな意味があります。
例えば、就職後の仕事を想像してみると
・獣舎の掃除
・餌の下ごしらえ
・配膳
・健康状態に関する報告、連絡、相談
などがメインになります。
この時、まるで動物と触れあった経験がない方の場合、獣舎の臭いやエサの重量に驚くでしょう。中にはたった1日の研修で現場の状況を目の当たりにして退職してしまう方もいます。
動物園側にとっては多忙な業務の中でせっかく指導をした新人が短期間で退職してしまっては困りものです。
だからこそあえて新人、未経経験者、新卒を採用しないという施設もあります。
このような背景を受けると、専門学校を卒業していることは就職活動や面接において大きなアピールにつながるでしょう。中でも実際に動物園での研修や実習の機会がある専門学校であればなお理想的です。
動物飼育員として仕事をするにあたり、特別な資格取得の必要性はありませんが、必ずしもまるで現場を知らない方でも採用されるということではありません。
■動物園の中には公務員採用となる施設も
全国にある動物園の中には県営など公営の施設も数多くあります。このような施設では、動物飼育員の採用も公務員試験を受けることが求められます。
公務員採用試験には各自治体ごとに募集要件が決められているので、あらかじめ確認をしておきましょう。
この場合、公務員として採用が決まった後で希望の配属先へ着くことが出来るようにと2段階の活動が必要です。
そのような場面でも専門学校での経験を生かすことが出来るでしょう。
■動物飼育員の仕事は未経験から始め、長い修行が必要と理解を
動物飼育員の仕事には万能なマニュアルが存在しないと言われています。
野生動物はまだまだその生態に未解明な点が多い上に、年齢や生活環境、施設の状態によって動物達の体調や健康は左右されます
飼育員はそのような前提のもとで、それぞれの動物がベストな状態を保つことが出来るように取り組みます。
毎日の仕事は試行錯誤の連続です。
仕事を通じて日々学んだことを積み重ね、先輩が後輩に引き継ぎ、時には別の施設と情報交換を重ねます。
未経験で就職をするという事は、日々の仕事を通じて毎日学習、研究を重ねるという事です。
決して未経験だから採用されないということではありませんが、未経験だからこそ感じる大変さもあります。 でも日々前向きに仕事に取り組むことで、気が付けば経験が増えてゆき、自身が未経験者の指導に当たる立場になることもあるでしょう。 ata”,type:”var

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。