動物園で仕事をしたい、動物飼育員になりたいと考えるものの、どんな資格が必要?どんな学校へすすむべき?と悩むでしょう。実は動物飼育員になるうえで必須となる資格制度はありません。しかし専門性の高い仕事ですから、就職に向けた準備は必要と考えておきましょう。
■動物飼育員に役立つ資格
動物飼育員の仕事には必須となる資格はありません。すでに仕事に従事している方々は大学卒、専門学校卒などそれまでの経歴も様々です。
中には大学の獣医学部を卒業し、獣医師という立場から飼育に携わる方もいます。
決して必須ではありませんが、将来の動物飼育員の仕事に役立つ資格の一例は
〇獣医師
獣医学部ではペット、家畜、野生動物、海洋生物とさらに学習内容は細分化されます。中には海外で学び経験を積む方もいます。まだまだ未解明な部分が多い野生動物の治療は困難なことも多いものの、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
〇学芸員
学芸員の仕事は博物館、美術館、動物園などで、専門的な資料の収集、保管、展示などを担当します。各施設でイベントの開催や展示物の開設などをする姿を目にした事があるでしょう。近年動物園も各施設の特色をうちだし、個性的な取り組みが進む中で、この資格は多いに生かすことが出来るでしょう。
〇愛玩動物飼養管理士
ペット、動物に関する基本的で必須となる内容を身に着けていることを証明出来る資格です。生体を扱う方はもちろん用品メーカーや関連サービスにつく方も幅広く取得している資格です。愛玩動物飼養管理士は専門学校はもちろん独学でも取得を目指すことも出来ます。
上記はごく一例です。
また専門学校で取得出来る動物看護士や訓練士の資格が実務に役立つこともあります。野生動物を主に扱う仕事ですから、ペットでの知識や経験では不足では?と感じる方もいるでしょう。
でも身近なペットを通じて学んだ健康や体調の管理方法は決して無駄にはなりません。食欲や便の状態、表情から異変を察知する方法を学んだ経験は必ず役立つものばかりです。
自身の将来の可能性を狭めるのではなく、いかに応用し、実務に生かすことが出来るのかを前向きに考えてゆきましょう。
動物飼育員の仕事は非常に専門性が高い職業です。希望者は多いものの、採用枠は少なく大変狭き門です。採用試験に合格し、夢を実現するためには、これまでの自分の知識や経験、熱意をアピールするためにも何等かの資格を取得していることが有利になるでしょう。
■公営施設は公務員採用
動物園や水族館などの施設の一部は公営です。つまり仕事をする動物飼育員は公務員採用試験を受け、配属先として動物園や水族館へと進みます。
公務員採用試験には各自治体ごとに募集、応募に条件が決められています。職種によっては年齢制限が設けられていることもあります。
自身が就職を希望する施設が公営か民営か?をまずは確認しておきましょう。
公営施設を希望する場合は、今後の採用予定や試験概要を確認し、公務員採用試験に向けた勉強を始めましょう。
民営の場合ももちろん採用試験は実施されます。ただ時期は不定期です。必ずしも問い合わせの時点で、今後の明確な予定が確認できるとは限りません。時には、次回採用予定が未定と返答があることもあるでしょう。これは採用枠が少ない事から仕方がありません。
すぐにでも採用予定が確認できない場合もありますが、今後予定が決まり次第連絡が欲しい旨を伝えたり、こまめにHPなどを確認しましょう。
実は動物飼育員は人気のある職業です。施設にはたびたび求人に関する問い合わせがあります。
でも必ずしもすべての方が仕事の実情を理解している、熱意がある、専門的な学習の経験があるわけではありません。中には軽いアルバイト感覚の方もいます。そのような問い合わせが日々重なるので、施設側もつい応対に誠意が感じられないと思うこともあるでしょう。でも多忙な仕事、興味本位の問い合わせに手がかかってしまっていることも理解しておきましょう。
■特定の資格制度がないからこそ、チャンスがある
高校を卒業し、専門学校へ進学する時点ではまだまだ自身の将来像も曖昧でしょう。でも入学後に様々な専門的が学習をかさね、実習を受け、すでに仕事についている方々と交流を持つことで、自身の目標が明確になってくるものです。
その時、自身はペット専攻だから、学科が違うから・・・と諦めてはいけません。動物飼育員の仕事には就職にあたり必須とされる資格制度はありません。つまり誰にでも就職するチャンスがあるとう意味です。
もし自身の専攻を間違いだと感じたり、就職活動に不安がある場合は在学中に不足分を補うように資格取得を目指したり、インターンやアルバイトに積極的に参加することで可能性は高まります。
すでに仕事に従事している方々を訪問し、就職活動や保有資格について相談をしてもいいでしょう。
チャンスは必ずあるので、自分自身で理由を見つけ諦めずに前向きに進んで行きましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。