春は進学・就職の季節です。動物看護師を目指して専門学校や大学へ進学された方、あるいは学びを終えて動物病院への就職が決定した方も多いことでしょう。
本記事では、動物病院への就職を希望する方に向けて、「面接」において特に重要視される3つのポイントを解説いたします。いずれも、現場で実際に評価されている観点に基づいた内容です。これから動物看護師として第一歩を踏み出す皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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実習中に見せる主体性と協調性が、採用を左右します
動物病院の採用基準は施設ごとに異なりますが、多くの病院では就職希望者の実習中の態度を重視しています。とりわけ、新年度に採用を予定している動物病院では、専門学校や大学からの実習生に注目していることが少なくありません。
実習のタイミングとしては、専門学校では通常2年生の夏休みから冬休みにかけて行われるケースが多いでしょう。この時期、求人情報を教育機関に提供している病院も多く、実習がそのまま採用選考の一部となっていることもあります。
実習で評価されやすいポイントは、「主体性」や「自主性」です。与えられた指示を的確にこなし、現場の動きを理解しようと努める姿勢が大切です。ただし、過度な消極性は「覇気がない」と見なされやすく、逆に過度な積極性は周囲との距離感を損なう恐れがあります。適切なタイミングで「自分にできることはありますか」と声をかけるなど、周囲と協調しながら行動できる柔軟さが求められます。
スタッフとの相性は採用判断に大きく影響します
多くの動物病院において、既存スタッフとの相性は採用の大きな判断材料となっています。表面上は技術や知識、態度が重視されているように見えますが、実際には「この人と一緒に働きたいかどうか」という感覚的な部分も重視されています。
実習期間中、複数の学生が同時に参加していることもあり、その中から誰を採用するかを決定する際、院長や経営者だけでなく、現場で働く動物看護師の意見が大きく反映される傾向にあります。
動物病院はチームで業務を行う場所です。日々のコミュニケーションや信頼関係が診療の質にも影響するため、協調性や人柄は非常に重要な要素です。挨拶や返事、ちょっとした気配りなど、基本的なマナーを大切にしましょう。

面接では実習の経験と今後の展望を具体的に伝えましょう
実習を終えた後、正式な面接に進むケースが一般的です。面接の形式は病院によってさまざまで、院長のみが対応する場合もあれば、経営者や動物看護師長が同席する場合もあります。
実習時の評価が一定以上であれば、面接は“最終確認”の場と位置付けられることが多く、そこでの受け答えが採用の決め手となることも少なくありません。面接でよく問われる質問の一例としては、以下のようなものが挙げられます:
- 当院で働きたいと考えた理由は何ですか?
- 実習を通じて、どのような印象を持ちましたか?
- 実習を経た今、当院への就職希望に変化はありますか?
こうした質問に対する回答からは、「観察力」や「適応力」、さらには「就業への本気度」が読み取られます。具体的には、以下のような点を見られていると考えてよいでしょう。
- 周囲のスタッフの動きが見えていたか
- 先輩看護師の指導をどのように受け止めていたか
- 病院の方針やスタイルに順応できそうか
また、ごく一部のケースでは、プライベートに関する質問──たとえば「結婚の予定はありますか?」などがされることもあります。これは、特に女性の応募者に対して、入社直後の結婚や退職の可能性について確認したいという意図によるものです。もちろん、結婚や恋人の有無が採否に直接影響するわけではありませんが、「長く勤務できるかどうか」を重視する病院側の姿勢の表れであると理解しておくとよいでしょう。

面接は準備と実習の積み重ねで結果が変わる
本稿では、動物看護師としての就職活動において、特に面接の場で評価されやすい3つのポイントをご紹介しました。いずれも、突発的な対応力よりも、日頃の姿勢や積み重ねが反映される内容です。
なかでも最も重要なのは、実習期間中の取り組み方です。現場での指導や雰囲気に真摯に向き合いながら、自身のスキルを高めようとする姿勢が、最終的に採用可否に大きく影響します。
動物看護師という職業は、単なる動物好きでは務まらない、責任と努力が求められる仕事です。その分、大きなやりがいや成長を得ることができる職種でもあります。
これから動物病院への就職や転職を考えている皆様にとって、本記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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