みなさんが気になるのが動物看護師の1日ではないでしょうか?
勤務する動物病院や獣医師によっては差がありますが、だいたいの流れは同じではないかと思うので参考にしてください。
勤務体制について
勤務する動物病院の診療時間で差があると思います。夜間診療がある動物病院や24時間体制の病院もあります。診療時間が長い動物病院だと勤務時間も長くなるので二交代制などの制度があると思います。
また早番や遅番といった出勤時間に分けられている病院は出勤時間によって、まず始めに行う業務も異なります。就職する前にどのような勤務体制なのかを確認しておくのもいいと思います。
入院患者のお世話
診療が始まる前(開店前)に入院患者(動物)のお世話をします。
●入院患者の部屋掃除
●排泄物の確認
●食欲の有無
●点滴のチェック・追加(四肢が腫れてないか?など)
●獣医師による処置の保定
●食事の準備
入院施設の数や入院患者(動物)の数によりますがオープン前までの時間で終わらせるのがベストですが満床の場合は時間がかかることもあります。動物看護師が複数人いる病院では、診療準備と入院患者の処置にあたる看護師と手分けして行います。
診察室や処置室・手術の器具などの備品チェック
各診察室の診療に使う備品や薬、医療器具のチェックや補充を行います。
●診察室にある診察台の除菌や掃除
●診療に使う薬の補充(アルコール綿花の補充など)
●手術用の医療器具の確認や滅菌
●術衣の準備や補充
診療・手術に必要な器具や備品の確認は重要です。診療に使用する医療器具は獣医師によって異なる場合もあるので、獣医師に確認しておくのもいいでしょう。
待合室の備品確認や掃除
待合室の掃除やトイレ(飼い主が使用する)や動物用のトイレを設置している動物病院では掃除は、とても重要です。その他にも待合室の雑誌やパンフレットの整理など飼い主の立場になってみると色々気づくこともあるので細やかな気配りが必要です。
診療開始
動物看護師は、診療受付で一番に飼い主と顔を合わせるので「挨拶」は重要です。
●診察券など預かりカルテを出す
●病気で来院なら症状を簡単に聞く
●検便や検尿など検査が必要なときは受付で預かり検査を進める
●電話対応
外来の多い病院などは開始前から病院前に並んでいる飼い主もいます。一人一人症状などを確認するのも非常に大変ですが、獣医師が診療前に症状を把握できることで必要な検査などの準備ができることで診療がスムーズに進むこともあります。上記にもある「検便や検尿」は、検査に時間がかかるのであらかじめ受付で預かる病院もあります。また受付は飼い主とのコミュニケーションが取れる場でもあるのでできるだけ聞きましょう。しかし勤務する動物病院によってやり方は様々なので実習など現場に行ける機会があれば見学はしておいてもいいと思います。電話対応は相手側の顔が見えないので丁寧に対応することを心がけましょう。
診察室側の看護
診察が始まると看護師は各診察室での診療補佐が重要です。病院によって診察室の数や構造が異なります。病院によって動物看護師の人数にもよりますが動物看護師が多い動物病院では、一日の受付専門看護師・診察側の補佐専門看護師に分かれている場合もあります。
●採血や各検査の保定
●臨床検査(血液検査やレントゲン検査など)
●検査結果報告書作成
●薬剤調合
動物看護師は、診察中の獣医師がスムーズに診療ができるように補助を行うのが一番重要です。
診療の補助をしながら飼い主と会話したり獣医師の話を聞いてスキルアップできる場でもあります。
診療後の会計・薬の処方・療法食などの販売や相談
一通りの診療が終わるとカルテが受付に回ります。
●診療内容の確認
●薬の種類や投薬方法の説明
●療法食の処方や給餌量の説明
●次回の来院日のお知らせや予約制ならば予約日の確認
●療法食や薬についての相談
●会計
受付の際に気をつけなければいけないことは、カルテを確認して診療明細など料金を請求するときです。例えば・・診察項目の入力ミスによる「料金のもらい忘れ」行ってない「検査代の請求」などです。料金については後々トラブルの素になりかねません。動物病院によって請求の仕方はことなります。今はコンピュータによるデーター入力が主流ですがそうではない動物病院もあります。
薬の説明や投薬回数、投薬方法などの説明も重要です。「なんの薬なのか?」「副作用はあるのか?」「どうやって投薬するのか?」など色々と説明や質問はでてくるでしょう。薬の効果や副作用についても知識は必要です。
療法食とは動物病院にしか置いてないドックフードやキャットフードの事を指します。病気治療の為に、各メーカーが製造しているフードです。療法食は、たくさん種類があり、メーカによって使っている原材料も味も風味も違います。一番多い相談は「療法食を食べない」という相談が多く寄せられます。たくさんある療法食の特徴などの専門的な知識も必要でしょう。メーカーの院外セミナーなどに積極的に参加して知識を学ぶ事も必要になるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
動物看護師の日常について参考になったでしょうか?大きな病院、個人で開業している病院やスタッフの数によってやり方や動物看護師の立場など様々です。「就職したい」と思う病院には、何度も足を運び見学や実習などの機会を利用してその動物病院の流れや特徴を実際に見て把握するのが一番だとおもいます。

元動物看護師。20歳の時に、近くの動物病院へ動物看護師として就職。それから20年、動物病院でチーフ看護師をしていました。2015年3月、出産を気に、退職。現在は、子育てをしながら、新人看護師のためになる記事を執筆中。そして現在、10歳のシーズ、13歳のアメショを飼ってます。