動物看護師の資格は、人の看護師のように国家資格ではありません。動物看護師になろうと思えば誰にでもなれる職業でもあります。その為、資格が必ずしも必須ではないのが特徴ともいえるでしょう。
2012年までは各民間での資格で成り立っていた認定動物看護師資格ですが、動物看護師統一認定機構の取り組みにより民間の資格が1つの資格に統一されました。その活動により「誰にでもなれた職業」は変わりつつあるようです。動物病院でも採用基準の見直しが進められ、より専門的知識を持つ認定動物看護師資格を取得している者を優先して採用している傾向に変わってきています。
では、今現在の認定動物看護師資格を取得する為に受験する試験の難易度や合格率はどれくらいなのでしょうか?
今回は、認定動物看護師試験の難易度や合格率についてお話していきます。
受験資格は誰にでもあるのでしょうか?
2012年以前であれば専門学校などの教育機関を卒業していなくても一定の条件を満たせば民間団体が認定・主催する試験の受験資格はありました。
しかし動物看護師統一認定機構の働きにより、動物看護師統一認定機構が推奨しているコアカリキュラムを受講し動物看護学を学び必要な単位をとり終了していなければ、「認定動物看護師」資格の受験資格はありません。
動物看護師認定統一機構が推奨する専門学校(大学)とは?
動物看護師認定統一機構が推奨するコアカリキュラムはどこで学べるのでしょうか?
日本全国で今現在、約106校の専門学校・大学(短大)で受講が可能です。各教育機関で一定の出席日数や単位を取得した者だけが受験資格を得られることになります。
認定動物看護師資格の難易度
受験資格が専門機関でのカリキュラム単位取得などと定められた事により認定動物看護師資格の難易度が上がったように思われるでしょう。しかし動物看護師統一の確立によって各教育機関は合格者の確率を上げる為に試験に対しての対策などしやすくなってきているようです。
試験科目は以下の通りです。
●基礎動物看護学Ⅰ・Ⅱ
●応用動物看護学Ⅰ・Ⅱ
●実地試験(写真をみて答える)
結論からすると専門的用語や専門的知識を求められるため難易度は、やや高めだと言っても過言ではありません。
認定動物看護師試験の合格率
2013年から始まった「動物看護師認定資格」では80%を上回る合格率です。
動物看護師認定統一機構が認定する専門学校及び大学(短大)で基礎をしっかり学べば、それほど難しい試験ではないようです。
まとめ
いかがでしたか?動物看護師認定試験についての難易度や合格率について参考になったでしょうか?
ペットブームである現在、動物看護師の需要は増えています。動物看護師認定統一機構の動きは動物看護師が人の看護師のように国家資格へと近づく為に設立されました。その活動はこれから更なる獣医医療の発展に大きく関わってくると思います。
今現在、誰にでもなれる「動物看護師」の職業は専門の教育機関で一定の単位を取得し、専門知識でもある動物看護学を学び動物看護師の資格を取得していないと動物看護師として動物病院で働くことはできなくなる時代が来ると思います。そして近い未来、動物看護師の資格は国家資格になる日は近いと思います。
将来、動物看護師として「動物を助ける手助けがしたい」「たくさんの動物と触れ合える仕事がしたい」と思った時には、動物看護師認定統一機構が認定する動物看護学を学べる教育機関で基礎をしっかり学び、資格を取得した方が、就職にも有利ですし、専門学校や大学(短大)で学んだことは必ず実際の医療現場で役に立ちます。もちろん、現場に立ってから習得することもたくさんあります。
私自身、専門学校は卒業しておらず、4年以上の実務経験と独学で民間の資格を取得した後に「動物看護師認定統一機構」の発足にあたり、統一資格への移行期間中に妊娠が分かり移行を断念しました。今考えれば、ちょっと無理してでも、今後の復職の為にも所得しておくべきだったと後悔しています。資格については後悔していますが、専門学校で専門知識を学ばず「動物を救う手助けをしたい」という一心で就職し凄まじい業務の中、実際の医療現場でたくさん学び、動物の死に直面して心が折れそうになった事もたくさんあります。正直「辞めたい」と思った事もあります。
それでも、過酷な現場で自分自身のやりがいを見つけ独学で学んだ知識ですが民間の資格が取得できたことは良かったと思っています。そして20年もの年月を同じ職場でたくさんの動物を救う手助けができたのも動物病院という閉鎖的な環境で仲間と助け合う事ができたから続けられたのだと思っています。
これから動物看護師になろうと専門学校で学んでいる人、卒業して動物病院で働いている人も過酷な現場で続けていくには、自主性や主体性を身につけることは勿論、良い人間関係を築き、自分なりに「やりがい」を見つけることが一番大事だと思います。

元動物看護師。20歳の時に、近くの動物病院へ動物看護師として就職。それから20年、動物病院でチーフ看護師をしていました。2015年3月、出産を気に、退職。現在は、子育てをしながら、新人看護師のためになる記事を執筆中。そして現在、10歳のシーズ、13歳のアメショを飼ってます。