トリマー

資格や技術が役に立つ?トリマーの現状と将来性

投稿日:2018年2月8日 更新日:

トリマーの技術を習得するために専門学校へ進学するかどうか?仕事を辞めて転職をするかどうか?通信講座に申し込みをするかどうか?好きなことを仕事にしたい、やりがいのあることをみつけたいと考える一方で、お金をかけて将来性は?就職先は?続けることが出来る?と不安を感じることもあるでしょう。

トリミング業界の現状と将来性について考えてみましょう。

■現状は慢性的な人手不足が深刻化

トリマーの業界はここ10年ほど慢性的な人材不足が続いています。ペットブームや飼育世帯数の増加を受け、ペットショップやトリミングショップ、動物病院の開業は相次いでいるものの、実際に働くスタッフが不足するという現状はとても深刻です。

販売員、生体管理、動物看護士であれば、未経験者、新卒者でも採用、勤務が可能ですが、トリマーの場合は「技術」というハードルがあるため、なかなか思うように人材を集めることが出来ています。

特に職場での実践経験を積んだ、3~5年目を迎えるトリマーの不足は相当深刻な状態です。

トリマーに関する求人案件は常に全国で相当数が掲載されていますが、大抵の求人には

・一人で仕上げまでできる方

・経験3年以上の方

・カット仕上げが可能な方

という条件が付与されています。

トリマーとして経験が3~5年あるという事は、十分な実績と言え、指名を得ることも店舗責任者を務めることも可能なほどです。なのになぜ人材が不足してしまうのでしょうか?

専門学校を卒業し、見習い期間を経て、一人前と呼ばれる技術にまで成長したトリマーが職場を去ってしまう背景には、トリミング業界特有の問題が改善されないまま残っているからでしょう。

■まだまだ低賃金、非正規雇用が当たりまえ

これまでトリミング業界、ペット業界は「ペットが好き」という思いが仕事へのモチベーション、応募動機になっていたこともあり、

・低賃金

・長時間労働

・不衛生な職場環境

・社会保険や雇用保険の未加入

などが当たり前とされていた背景があります。どんなに不利益を被る条件であっても「ペットと毎日接することが出来る」という喜びや店頭に並ぶ子犬、子猫の世話という責任感からそれなりに人材を確保することが出来ていました。

中には、新卒トリマーは職場の戦力としてまだまだ力不足という理由から、最低賃金を下回る給与で雇用する店舗もありました。

ペット業界の中でも技術職であるトリマーの世界には、古くから「見習い」「徒弟制度」という認識が古く残っています。一人前の技術を身に着けるまでは、

・十分な働きが出来ない

・売り上げに貢献できない

・先輩から無料で技術指導を受けることが出来る

などの理由から給与待遇面で厳しい条件が出されるのです。

これは将来一人前になった時点で独立開業をし、自力で十分な収益を上げることを前提としているものです。しかし最近では以前ほど積極的に独立開業をするトリマーもいないので、劣悪な条件だけが残ってしまっているのです。

でも近年、次第に働き手側が自身の正当な権利や職場環境、プライベートとの両立を主張するようになったことで、このような業界の姿勢との間にギャップが生まれ、以前のままの体制では人材を集めることが出来ないという問題が生じています。

■徐々に改善されつつある労働環境

このような慢性的で深刻な人材不足の影響を受け、最近では大手企業が運営するトリミングショップが主導になり

・正社員としての雇用

・社会保険の加入

・技術、労働時間に見合った給与

・昇給、賞与

・産休、育休の取得

などの体制が整えられつつあります。いわゆる一般企業と同等もしくはその体制に近い雇用待遇がトリマーにも適用されはじめているのです。

この流れを受け次第に動物病院や個人経営のトリミングショップでも労働条件の改善が進みつつあります。いつまでも昔ながらの考えに固執し、正当な勤務条件を提示できないままでは、人手不足を改善できないからです。

このような変化は一トリマーとして大変誇らしいことだといえるでしょう。プロとして高い技術と専門的な知識を持つことが正当に評価されているということだからです。

■将来は人材不足の影響でかえって希少価値が高まる可能性も

今後のトリミング業界はますます人材不足が深刻化するといわれています。この傾向はトリミング業界に限ったことではなく、様々な業界で起こりつつある深刻な問題です。

その為、トリミングという専門技術を習得し、勤務が可能な人材はますます獲得が難しくなり、希少価値が高まるのです。

トリミング技術はますます進むパソコンやITの進化では代用が利かない技術です。つまり量産も代替もできないのですから、数少ないトリマーに仕事を依頼すること自体が特別なことになるのです。

このような背景を受け、今後トリマーの給与、待遇はますます改善が進むでしょう。

トリマーにとって一人前と呼ばれるまでの技術を身に着けるまでは、厳しい、大変と感じる期間もありますが、その先の将来はきっと明るいものになると信じて、頑張りたいものです。

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