人の看護師と動物看護師の違いは何?
大きな違いは国家資格です!
●人の看護師は「看護師」の国家資格を持ってないと「看護師」として病院で働く事はできません。
●動物看護師は「動物看護師」の資格は必ずしも必須ではなく動物病院で働く際にも重要視されていないのです。資格がなくても採用が決まれば「動物看護師」として働くことができます。
患者が人か?動物か?の違い
看護師と動物看護師の違いの一つに患者が人なのか?動物なのか?ということが上げられます。患者の看護や身の回りのお世話をすることは、どちらも同じです。言葉を話せない動物相手の方が少し大変かもしれません。
人が相手の看護師の苦労や悩み、動物が相手の動物看護師の苦労や悩みもそれぞれの違いはあります。
「看護師」の資格・活躍の場について
人の看護職の資格は大きく分けて4つの資格があります。
▲保健師
公民館や学校などで健康管理を行う仕事
▲助産師
産婦人科などで出産の介助や新生児のケアを行う仕事。助産師の資格があれば「助産院」を開業することができる。
▲看護師
主に病院で治療をしている患者に寄り添い生活の援助や医師と共に診療の介助をする仕事。保育園や老人ホームなどでも活躍しています。
▲准看護師
看護師と同様、主に病院で患者のケアをします。看護師と異なる事は医師や看護師からの指示がないと業務が行えません。
それぞれの資格で幅広く活躍できる場所も様々です。
看護師は数年のキャリアを積み、それぞれの専門分野(救急看護師など)で活躍できる資格をとる人もいます。
動物に携わる資格・活躍の場について
「動物看護師」の他に様々な資格はあります。人と異なる事は、全て民間の団体による資格です。
▲トリマー
ペットショップや動物病院で、動物のトリミングを行う仕事
▲動物看護師
動物病院で獣医師の診療の介助をする仕事
▲ドッグトレーナー(訓練士)
訓練所や警察犬などの訓練や躾を教える仕事
▲動物介護士・ペットシッター
老犬の介護施設や留守中の飼い主に代って動物のお世話をする仕事
収入や復職できる環境の違い
人の看護師の収入は、勤務する科や病院によって多少の差はありますが、動物看護師よりも高いそうです。その代わり動物看護師にはない夜勤や日勤など勤務時間が、二交代制や三交代制と日々異なるため、生活のリズムが一変し、体のバランスを崩しやすく体調管理や心のメンテナンスがとても難しいと思います。そんな状態で働いているので日々の体調管理はとても重要なのです。
動物看護師は国家資格では無いため、人の看護師と比べ収入の差は大きくあります。特に女性の場合、結婚、出産と現場を離れた場合に勤務する動物病院によって対応は様々ですが一度、離職しなければならない事もあります。看護師の場合、働く環境が整っているため、結婚や出産後に同じ病院に復職できる環境でもあります。ここにも「看護師」と「動物看護師」の大きな違いがあるようです。
もちろん動物病院でも産休や育児休暇をもうけている病院もありますが、今の段階では少ないようです。
収入は低いけどたくさんのやりがいはある!
動物看護師の収入は国家資格である看護師と比べると低所得といえるでしょう。しかし動物看護師も看護師同様の専門知識は豊富に学び生かせる仕事に変わりはありません。動物の病気は(動物の特殊な病気を除けば)人とほとんどが同じですし使う薬も、動物医薬品となれば高額なので人用(小児用など)を使うことがあります。薬に関する知識も学べます。
看護師は、動物看護師のように「薬剤師」「臨床検査技師」「手術の助手」「麻酔管理」「受付業務」のような仕事をこなせるわけではありません。人にはそれぞれ専門の「薬剤師」「臨床検査技師」「手術専門の看護師」「麻酔医」「医療事務」が存在します。「動物看護師」はその各専門分野でも活躍しているのです。そう考えると動物看護師は得かもしれませんね。色々な専門知識を得られ、幅広い活躍ができるということです。
まとめ
いかがでしたか?「看護師」と「動物看護師」の違いについて理解していただけたでしょうか?
大きな違いと言えば、国家資格ではない、低収入、働く環境この3つではないでしょうか?このような差があっても、人の看護師も動物看護師も患者(飼い主)の心に寄り添い、病気治療の補助や生活の介護することに関しては共通点がたくさんあります。「病気で苦しんでいる患者(動物)を助けたい」と思う気持ちも同じですし、元気になった姿をみたり患者(飼い主)に「ありがとう」と言われた時に「看護師・動物看護師になって良かった!」と喜ぶ気持ちも同じだと思います。
そしてなにより大きいのは、幅広い業務をこなせる「動物看護師」は、たくさんの専門知識が得られるのが魅力の一つといえるでしょう。民間の資格が統一され、誰にでもできていた「動物看護師」、その動物看護師の資格が国家資格になり人の看護師のように「動物看護師」の資格がないと動物病院で働けない!という日が来るのも近いのかもしれませんね。

元動物看護師。20歳の時に、近くの動物病院へ動物看護師として就職。それから20年、動物病院でチーフ看護師をしていました。2015年3月、出産を気に、退職。現在は、子育てをしながら、新人看護師のためになる記事を執筆中。そして現在、10歳のシーズ、13歳のアメショを飼ってます。