動物看護師の仕事はいわゆる3Kと言われる仕事。
「汚い」「きつい」「給料安い」それでも専門的知識を学べ動物を助ける手助けは動物看護師にしか出来ない仕事です。
激務や3Kと言われる動物看護師として続けていく上で気をつけるポイントや心得ておきたい事など、経験を交えながらお話していきたいと思います。
命を預かっているという責任感を持つ
動物看護師は獣医師の診療を手助けしていく中で動物の小さな命を預かっていることを忘れてはいけません。飼い主から大事な命を託されている事も。
小さな命でも飼い主にとっては家族と同じ大事な命なのです。
その小さな命を守るという責任感は動物看護師として業務を通して重くのし掛かってきます。「動物が可愛い」「たくさんの動物と触れ合いたい」と軽い気持ちだけでは絶対に勤まりません。時にはどんなに手を尽くしても助けられない命は山ほどあります。動物の死に直面する事もたくさんあります。
体力重要!!
動物看護師は勤務時間も長くなることも多く基本、立ち仕事が主です。
勤務する動物病院によって外来数や手術数など様々ですが、どの動物病院でも、急患や入院患者の状態が悪化したなどで休憩時間を削ってでも動物を助ける事も多々あります。
最善の手を尽くしても助けられない命もたくさんあります。残業で帰宅時間が延びる事もあります。それでも人間の都合で治療を中断して仕事を終わらせる訳にはいかないのです。
生きようと頑張る動物に対して、私たち動物看護師は獣医師と共に命を救う手助けをします。それが徹夜になっても、寝る間を惜しんでも獣医師は動物を助けるために奮起します。それを全面的にバックアップできるのは動物看護師である私たちです。
残業や徹夜をしても翌日には通常勤務が待っています。
獣医師も動物看護師も体力が無ければ仕事を続けていくことは難しいでしょう。
精神面の強さ
動物病院で動物と接していく中で、どうしても避けては通れない「動物の死」。
治療の甲斐無く力尽きる動物はたくさんいます。
20年勤務して何十頭、何百頭?もの動物の死に直面してきました。
急死もあれば長年治療して頑張ってきた動物の死、ペットとの別れを悲しむ飼い主の姿もたくさん見てきました。
そして自分自身のペットの死。私は7匹の愛犬を見送ってきました。愛犬を亡くした時も、勤務していた動物病院に来院する愛犬と同じ病気で苦しむ動物を見るのもとても苦痛でした。それを心配そうに見つめる飼い主を見るのも苦痛でした。
同じ病気で苦しむ動物の最後が手に取るように分かるからです。
動物に無償の愛情を注いできた動物看護師にとって動物の死は、本当に耐えがたいものです。
動物看護師はそれでも助かる命を救う手助けを続けられる精神面での強さは必要です。
学ぶ姿勢
動物看護師は動物病院での業務の中で日々学ぶことはたくさんあります。
動物看護を始め、薬などの知識や検査技師としての知識、救急患者に対する対応方法、また療法食やフードに関する知識、その他にもパピー(仔犬・子猫)の飼育方法や躾などの知識。動物看護師の業務は診療の補助だけではないことを覚えておいてください。躾や飼育方法に関しても犬種や猫種によって違います。
まだ他にもたくさんあります。
例えば・・
受付での対応や飼い主とのコミュニケーション力など診療業務以外にもたくさん学ぶことはあります。
毎日、動物病院に訪れる動物の種類や性格、病気は同じではありません。毎日が学びの場でもあるのです。
まとめ
いかがでしたか?
激務で3Kと言われる動物看護師を長く続ける為の心得やポイントについて理解していただけたでしょうか?
私は3Kと言われている職業でも、勤務していく中で自分なりのやりがいを見つけて続けてきました。その経験が自分自身の愛犬、愛猫に生かす事もでき、いち早く異変に気づいてあげることができました。見送ってきた7匹の愛犬は、平均寿命と言われている13歳を遙かに超え、重度の心臓病を抱えながらも15歳~18歳と長生きして長い時間一緒に過ごしてくることができました。
でもそれが「愛犬にとっても幸せだったのか?」という事に関しては、「飼い主が動物看護師であったが為に引き延ばされた命だったのではないか?」と。
今でも分からず自問自答しています。
しかしその経験は、愛犬を亡くした飼い主の立場としても、病気で苦しむ動物を自宅で看病する飼い主の気持ちと向き合い、飼い主の立場で考えアドバイスできる事も長年培ってきた経験や愛犬との別れがあったからこそなし得た事だと思っています。
動物看護師を目指し、獣医師と共に多くの小さな命を救う手助けができるのは動物看護師だけの特権ではないでしょうか?
確かに動物看護師の仕事は激務であることは間違いありません。体力も精神面でも強くないと続けることは不可能です。
動物看護師を長く続ける為に一番必要な事は、「自分なりのやりがいを見つける」事だと私は思います。

元動物看護師。20歳の時に、近くの動物病院へ動物看護師として就職。それから20年、動物病院でチーフ看護師をしていました。2015年3月、出産を気に、退職。現在は、子育てをしながら、新人看護師のためになる記事を執筆中。そして現在、10歳のシーズ、13歳のアメショを飼ってます。