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犬の耳の病気「内耳炎」とは?

投稿日:2018年8月22日 更新日:

犬の耳の病気「内耳炎」とは?

犬の耳は外耳・中耳・内耳の3つに分かられています。その内の1つである内耳に炎症が起こることを「内耳炎」と言います。内耳には音の伝達や平衡感覚を保つ為の大事な神経が集中している場所です。内耳炎が進行してしまうと歩行障害や難聴を発症してしまいます。

内耳炎で現われる神経症状は、内耳炎以外の大きな病気が隠れている場合があります。症状の変化や治療に対する反応を注意深く観察する必要がある病気です。

内耳炎の原因

犬の内耳炎の原因の殆どが外耳炎から中耳炎を引き起こし細菌が内耳まで広がってしまうことが一番の原因だと言われています。細菌性の外耳炎が殆どですが中には腫瘍や外部からの衝撃(事故やケガ)も原因として上げられています。

突発性に内耳炎が起こる場合、原因として考えられるのが内耳に腫瘍ができている可能性が大きくその他にも外部からの衝撃を受け血液などが内耳に流れて起こる場合、気候や犬自身の免疫不全から引き起こる可能性もあります。

▲外耳炎の好発犬種として上げられるのは

●キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

●シー・ズー

●トイ・プードル

上記の犬種のように耳が垂れている犬に多いと言われています。他にも先天性に耳道が狭い品種や、アポクリン分布の多い犬種は耳道内の湿度が高くなりやすく外耳炎を起こしやすいと言われています。

▲生活環境

耳道内に水が入ることで外耳炎が炎症を起こしやすい環境を作ってしまいます。水遊びやシャンプー後に外耳炎を発症することは珍しくありません。

▲アレルギーなどの体質(アトピー)

犬のアレルギー(アトピー)による外耳炎は体の痒みから外耳を必要以上に掻くことで外耳の皮膚が厚くなり耳道が狭くなっていきます。外耳道が狭くなることで耳の中の湿度が上がり蒸れて外耳炎になりやすくなります。

内耳炎の症状

犬の内耳炎の症状は

▲斜頸

頭を左右どちらか斜めに傾けている

▲旋回

一方向に同じ所を何度も回転している

▲起立不能・歩行不能

立ち上がったり、座ったりができない。歩くことが出来ない。

▲眼振

左右に眼球が揺れている

▲食欲の低下

▲嘔吐

内耳には前庭・半規管・蝸牛(かぎゅう)という器官で構成されており前庭神経に炎症が起こった場合は平衡感覚の喪失としてまっすぐ歩くことが困難になります。聴覚の神経に炎症が及ぶと難聴になったりします。いずれの神経症状も同時に起こることはごく希でどちらかの症状が現われるのが特徴だと言えます。

内耳炎の診断・治療法

診断としてはまず、犬の内耳を内耳鏡などで観察します。次に耳垢の検査です。耳垢の検査では耳垢の細胞診で炎症、細菌の有無や酵母菌、寄生虫を確認するのに必要な検査です。

外耳炎や中耳炎が原因の場合は、まず外耳炎や中耳炎の治療が優先です。耳道内の洗浄、抗菌剤や抗生剤の点耳薬、内用薬の服用を行います。耳にはなかなか内服薬は浸透しにくく点耳薬の方が有効です。しかし感染症やケガなどによる内耳炎は全身のケアが必要となり抗生剤の投与が約1ヶ月~2ヶ月弱必要となります。

外耳炎や中耳炎が酷く痛がったり耳を触らせてくれない場合、内服薬も使用することがあります。

すでに前庭疾患の症状が現われている場合は、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の投薬が有効です。

腫瘍性の内耳炎は外科的療法としてに内耳に出来た腫瘍を取り除く手術が有効です。

内耳炎の予防法

内耳炎の予防法は外耳炎を進行させないことです。内耳炎の原因は幅広く、外耳炎を慢性化させないように耳を常に清潔に保つ必要があります。内耳炎は治療になかなか良い反応が見られないため慢性経過で繰り返してしまいます。慢性化した炎症によって耳道内が狭くならないように最初が肝心と言えるでしょう。

耳道内に腫瘍が出来ている場合は外科的(手術)によっての切除が好ましく腫瘍の切除後も腫瘍によって閉鎖されていた外耳道の炎症え二次感染を抑える為にも定期的に洗浄や自宅での点耳薬、内用薬の治療は必要です。

犬のアレルギーからくる内耳炎は、外耳炎に対して慢性化を防ぎ内耳炎にならないようにアレルギーに対しての治療をすることで外耳炎も軽減されることもあります。

まとめ

犬の内耳炎でも症状や原因、炎症部位によって治療法は様々です。

内耳炎は他の外耳炎や中耳炎と比べ治療効果は現われにくく後遺症として神経症状が残ってしまうことも多々あります。そうならない為にも外耳炎・中耳炎の治療はしっかり行わなければなりません。外耳炎や中耳炎からくる内耳炎は防ぐことが出来るからです。腫瘍性の内耳炎の予防法は、腫瘍のできる場所によって発見が遅れたりと完全な予防法はありませんが、飼い主が常に耳を清潔に保つようにケアが出来るようであればちょっとした異変に気づけるのではないでしょうか?飼い主に対し、愛犬の耳のお手入れに関しても獣医師や動物看護師の指導は必要不可欠と言えるでしょう。

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