犬のしつけに失敗した、問題行動が目立つ、しつけは難しいなど飼い主にとって常に悩みが付きまとうものです。この悩みを解決し
犬も飼い主も共に楽しく生活できるお手伝いをする役目がドッグトレーナーです。
ドッグトレーナーになるにはいくつかの方法がありますが、もちろん高額な費用がかかります。具体的にどのような内容の学習をしてどの程度の費用がかかるのかを知ったうえで進むべき道を考えてみましょう。
■2年生専門学校でドッグトレーナーを目指す場合
もっとも一般的な方法は専門学校へ進学をすることでしょう。大抵の専門学校にはトレーニングがが学科があり2年の通学生です。
専門学校では在学中に
グルーミング学
グルーミング実習
動物形態機能学
動物病理学
動物疾病看護学
動物薬理学
動物感染症学
病原体衛生管理
動物健康管理
動物栄養学
動物医療関連法規
公衆衛生学
動物繁殖学
動物人間関係学
動物行動学
動物福祉論
飼育管理学
経営学・ビジネススキル
これらの内容を幅広く学びます。ドッグトレーナーになるには単に犬のしつけ手法を身に着けるだけでは不足が生じ、日々家族と暮らす犬の全てを知り、知識を提供する必要があります。
例えばトリミングで悩んでいる、食事に悩んでいる、問題行動に悩んでいる飼い主さんを相手にする場合には対処法だけでなくその原因の解明、飼い主自身の生活の改善も必要になるためです。
2年間の在学は数百万円という高額な学費はドッグトレーナーになることを躊躇する理由になるでしょう。
もっと安価に手軽にドッグトレーナーになれるのではないか?
自分の現在の知識、経験で仕事が出来るのではないか?とも思うこともあるでしょう。
しかしプロとして長年仕事を続け、様々な犬と接することを望むのであれば、その礎となる知識や経験は決して無駄にはなりません。
また通学生の専門学校の魅力はなんといっても実技講習の時間を十分に設けることが出来ることです。
犬のしつけは実際に自分で犬と接し、犬をコントロールすることが何より大切です。教科書を読んだり、DVDを視聴するだけでは不十分です。
一見簡単そうに思えるしつけも実際に実践してみると様々な思い違いが生じます。
ドッグトレーナーとして活動を始めた後は問題行動を抱えた犬ばかりを相手にしなければなりません。初対面の犬であっても適格に指導をして問題を解決するには如何に犬の生態を理解し経験を積んでいるかが重要です。
この実技には犬のモデルも場所も必要です。この特別な環境を整えてくれていることも専門学校へ通う意義になるでしょう。
■通信講座でドッグトレーナーを目指す場合
通信講座でドッグトレーナー資格を取得する方法も最近増えています。
通信講座なら数万円という手ごろな費用な上に通学の手間もかからず仕事の合間や家事の合間に資格取得を目指すことが出来ます。
通信講座の場合も基本的な学習内容は専門学校と同じです。ただ学習期間が数か月と限られているので極基礎的な部分、重要な部分に特化してカリキュラムが作成されています。
そのため何より実技の経験が不足するでしょう。実技とは実際に犬のしつけを行う事はもちろんですが犬を散歩したり、抱き上げたり、お手入れをしたり、餌を与えたりといったことを意味します。
これらの内容は自宅で犬を飼っていればごく当たり前の日常であり、犬好きな方にとってなんら難しいことではないでしょう。
しかしドッグトレーナーを目指すうえで必要な実技は他人の家の犬、初対面の犬、問題行動を抱えている犬にこれらの実技を施すということです。
たとえ犬好きな方であっても問題行動を抱えている犬を相手にした場合、ごく簡単な行動でさえ恐怖を感じることもあるでしょう。
改善の方法がわからずにお手上げ状態になることもあります。
もちろんドッグトレーナーとして働くうえでは飼い主とのコミュニケーションや広報活動も欠かせない仕事です。
様々な場面で犬や飼い主と接する機会が多い仕事ですから資格取得を目指しつつ実践、実技を学ぶ場を自ら探し不足を補いましょう。
その方法に最も適しているのは動物保護団体のボランティア活動です。保護団体には様々な犬種、年齢、境遇の犬が集まります。
中には問題行動を抱えていることもあります。これらの犬は問題行動を抱えたまま、人間に不慣れなままでは里親に出すことはできません。悲しい思いを繰り返さないためには、問題行動を解消しておく必要があるからです。
そのような時ドッグトレーナーの活躍が大いに期待されます。
ぜひ動物保護に携わりつつ、実技の不足分を補う事を考えてみましょう。
■訓練所に就職しドッグトレーナーを目指す場合
ドッグトレーナーの資格は全て民間団体の認定資格です。そのため民間の訓練所へ就職をして経験を積み、プロを目指すという方法もあります。この場合専門学校や通信講座の様に座学での学習は基本的には行われず、仕事を通じて様々なことを学び、経験を積みます。
学ぶ内容は専門学校とかわりありませんが、仕事をしながらという意味ではより専門性が高くなるでしょう。
様々な方法でドッグトレーナーを目指すことが出来るのでぜひ自分にあった方法を見つけてゆきましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。