ドッグトレーナーの仕事で独立開業をしたい、自分の生活に合ったスタイルで仕事をしたい、家庭と両立をしたいという方が増えています。ドッグトレーナーの仕事は接客をメインにする仕事ですから、土日の融通をつけることが出来ればこのような働き方ももちろん可能です。
フリーランスと呼ばれる働き方をするドッグトレーナーの仕事をご紹介させていただきます。
■週末のペットショップを掛け持ち勤務するドッグトレーナー
フリーランスのドッグトレーナーで比較的多いスタイルは数軒のペットショップと契約をして、イベントやしつけ教室を開催する働き方です。
ペットショップでは販売後のアフターフォローの一環としてしつけ教室の開催が増えています。ただ要望はあるものの平日は来店客が少ないことから教室の開催は土日に偏りやすい事が現状です。そのため平日を含む常勤スタッフよりも土日のしつけ教室開催だけを受け持ってくれるフリーランスのドッグトレーナーが重宝されます。
この場合、店頭での告知や集客はペットショップ側が担い、当日の運営をドッグトレーナーが担います。契約スタイルは
・時給換算で支払い
・1レッスンごとの定額制
・生徒の人数に応じた歩合制
があります。中にはドッグトレーナー自身で集客を行いステップアップクラスの開催や常設クラスの開催が可能となるケースもありフリーランスにとって比較的好条件になりがちです。
また1レッスンが1時間程度の場合が多いので、近隣の複数のペットショップと契約をして土日はかけもちで開催をするというスタイルも可能です。
このようなスタイルで仕事を希望する場合、契約先のペットショップは自身で開拓をする必要があります。あえて求人が出ることは少ないので、自身の経歴やアピールポインt、チラシなどを直接持参したり、郵送することでまずはコンタクトを取り開催に向けた営業活動を行いましょう。
それぞれの企業、ペットショップごとに仕事における規約や取り決め事項があります。フリーランスといっても仕事を請け負う以上は必ず決まりを守り、円滑に仕事を進めましょう。
■家庭訪問型の個人レッスンをメインにするドッグトレーナー
フリーランスの働き方で多いのは、顧客の家庭を訪問し個人レッスンをするスタイルです。この場合、困りごと、問題行動にピンポイントで対処が出来るので、改善効果も早期に期待出来ます。
この場合、ペットショップなどに比べ収入が多いことも魅力になります。中には時給換算で3000~5000円となることもあり、フリーランスとしての働き方に魅力を感じるでしょう。
ただこの働き方は
・顧客の獲得
・訓練の成果
・営業活動
など全てを自身で担う必要があります。中でもしつけの成果については早期に明確な形で現れることを期待されるのでプレッシャーにも感じるでしょう。
また飼い主同士の口コミが営業活動に大きく影響を及ぼすことも気にかけておくべき点です。
このようなスタイルで仕事につく場合は
・SNSを活用したこまめな情報発信
・飼い主との良好なコミュニケーション
・確実な改善効果を出せるだけの訓練スキル
を常に心がけておきましょう。中でも集客や新規顧客獲得は一番の課題です。自身の移動可能な範囲を出来る限り広げ、広範囲に営業を行うことで安定した収入を見込むことが出来るでしょう。
また近隣の動物病院やトリミングショップ、保護団体とも提携し紹介、斡旋を受けることが出来る態勢を整えておくこともフリーランスという働き方を成功させる秘訣です。
■災害救助、警察犬、ドッグショーのハンドリングなど高い技術でオーダーを受けるドッグトレーナー
フリーランスという働き方をするドッグトレーナーの中には国内最高峰、世界的に高い評価を受けるという特別なスキルをもっている方もいます。
このような場合、仕事の内容は都度ニーズに合わせて調整し、顧客の要望に応えてゆきます。
例えば
・民間の訓練所で訓練を引き受ける
・災害現場で災害救助犬の指揮を執る
・ドッグショーに参加してハンドラーの役目を担う
・問題行動のある犬の自宅を訪問し訓練に取り組む
・長期預かり型の訓練を引き受ける
など様々な働き方があります。大変高いスキルをもっているものの、自身で訓練施設を設けずにフリーランスという働き方を選びます。
自身で訓練所を設け、管理運営をするとその場に活動範囲が限定されてしまう、経済的な負担が大きい、長期間の海外遠征に支障が出るなど様々な懸念材料が生じます。
そのためあえてフリーランスという働き方を選ぶのです。
もちろんこのような自由度の高い仕事を実現するためには、相当な経験と実績、周囲からの信頼を身に着けることが大前提になります。
フリーランスという働き方はいつでも、だれにでも、いつからでも始めることの出来る手法です。しかしこの仕事で収入を得て
長年継続をするためには確固たる経験と実績が必要とされます。ぜひ長い目で見た目標の1つとしてフリーランスという働き方を考えておきましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。