獣医師

犬の「呼吸が早い時に考えられる病気」その2

投稿日:2018年10月10日 更新日:

呼吸器の病気

気管虚脱や気管支炎など呼吸器の病気は人も同様、気管は本来丸い形をしています。気管が何らかの原因で平らに変形し気管の周りが石灰化して空気の通りが悪くなっていく事を気管虚脱といい、気管支炎は細菌やウイルスによって気管に炎症が起きていることを表します。

気管虚脱は、中高齢の小型犬に多く見られ肥満の犬にも多いく見られる病気です。

★治療法や対処療法

気管虚脱は遺伝的な要素や老化によるものなので完全な予防方法などはないのが現状です。朝や夜など気温が下がるときに症状は出やすい傾向にあるためハンカチやタオルなどで首の回りを温めてあげることで咳が和らぐことがあります。その他に肥満体型にしないようにすることも大事な予防効果といえるでしょう。しかし近年の獣医学医療の発展により気管虚脱の手術をしている動物病院があります。症状や状態によって手術できない場合もあります。

気管支炎については抗生剤や炎症止めなどを投薬して安静に過ごすことが一番です。咳が頻繁にでて愛犬が眠れていない、元気がないなどの症状がある場合には早急に動物病院で診察を受けてください。

胃拡張胃捻転症候群

胃が何らかの原因で拡張して胃捻転を突然発症することをいい”胃拡張・捻転症候群”といわれています。原因は明らかにされていませんが「食事の一気飲み」「遺伝的要素」「「食後の激しい運動」などが関係しているといいます。

症状としては食後数時間で(約二時間~四時間)犬の落ち着きが無くなり何度も吐く仕草を繰り返したり、胃にガスが溜ることでお腹が膨らんできます。そしてさらに進行した場合。呼吸が早く(荒く)なりフラフラとし始め意識を失い命に関わるとても危険な病気です。特に大型犬に多く見られる病気です。

 

★治療法・対処療法

早急に動物病院での治療が必要です。多くの場合病院に到着する頃には意識が無くショック状態の事が多いため緊急の処置となるでしょう。

胃穿刺という胃に体の外から針を刺しガスを抜く処置や鼻や口からチューブを入れガスを抜く処置が施されます。ショック状態が落ち着いたら外科的手術で胃の捻れなどを戻し再発防止を兼ね胃を固定します。予防としては食後に激しい運動をさせないことや。一気飲みをさせないような食器を使うなどして工夫をしましょう。胃拡張胃捻転症候群の場合は早急に動物病院に行くことが重要です。

癌(肺への転移)

犬の癌はたくさん存在します。

例)

▲乳がん

▲口腔内の癌

▲皮膚の癌

▲呼吸器系の癌

▲消化管系の癌

▲生殖器系の癌

これらの癌の中でも悪性度が強い癌で肺に転移した場合、一番に出てくる症状が、呼吸が早い(荒い)や元気がなくなるなどです。肺に転移してすぐの初期症状では症状がなく見た目元気に過ごしていることが多いでしょう。肺に転移した場合は残念ながら”予後不良“と診断されることが多いのです。

★治療法・対処療法

癌の治療は主に抗がん剤治療ですが、抗がん剤も効く癌、効かない癌とあります。肺への転移はレントゲン検査でわかります。

自宅での対処療法としてサプリメント(アガリクス)の投与や心臓疾患の在宅治療のように酸素吸入機のレンタルで愛犬の生活の質(QOL)を上げてあげることが最優先でしょう。余命を宣告されたとしても、余命を遙かに超えている犬もいます。犬の生命力は計り知れない物です。慣れ親しんだ環境で飼い主と一緒に過ごすことも治療の一環だと思います。少しでも状態が悪化した場合は、早期に診察を受けてください。

熱中症

熱中症は冒頭に説明したように毛で覆われた犬は汗をかいて体温調節できない為、体内に熱がこもりやすく内蔵機能まで悪影響を与えてしまうことを熱中症といいます。人が暑いと思う環境であれば犬は地面に近い目線を歩きます。熱を吸収したアスファルトなどの照り返しや、湿度の上昇によって人より遙かに暑さを感じています。では熱中症の症状とは、どのような症状なのでしょうか。

例)

▲浅い呼吸(パンティング)

▲フラつき

▲嘔吐

▲体の震え

▲下痢(血便)

▲血尿

▲嘔吐

▲よだれ

▲意識朦朧とする

▲痙攣(重症)

 

★治療法・対処療法

犬は普段から”ハッハッ”とパンティングして熱を逃がしているので熱中症と見分けるには難しいかもしれません。上記の症状に当てはまる場合は熱中症の疑いがあるので早急に動物病院を受診してください。対処療法・予防としては夏場の散歩は、早朝の日が昇る前の涼しい時間帯や夕方などは、日が落ちた夜など地面が熱くない時間帯がお勧めです。意識もありパンティングが落ち着かない場合は自宅で水を犬の体にかけてクールダウンさせると初期の段階であれば落ち着くでしょう。その他に体温計があると便利です。動物用は手に入れるのも困難な場合があるので人用でかまわないので1本犬用で常備してください。犬の体温は直腸体温で計るのが基本なので肛門から体温を計って37.5度から38度前半であれば平熱です。39.5度以上から40度あるのは異常なので動物病院で診察を受けてください。

投稿者プロフィール

福岡の新人獣医師
福岡の新人獣医師
某獣医系大学に6年間通い、晴れて獣医師になったとある新人獣医師です。某田舎の動物病院に勤務することになりましたが、病院内の掃除や器具の片付けなど雑用も多く、下積みが必要だということで耐えてますが、気晴らしにブログ等書いてます。看護師さんや、獣医学生の役に立てば幸いです。

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