トリマーになりたい!と決心が決まった時、まずは専門学校進学を考えるでしょう。この時、通学時間、学費、在学期間など様々な項目から進むべき学校を選びます。ただ中には入学後に授業内容に不満を感じてしまう方もいるので、専門学校への申し込み手続き前に必ず確認しておいて欲しい項目を下記に説明させていただきます。
①実技講習時のモデル犬の振り分けは?
高額な費用をかけ専門学校へ進学をする理由は、何より専門的な技術を習得するためです。最近では様々な資格を通信講座やWEB授業で取得することが可能ですが、トリマーのように特別な技能が求められる職種においては、なかなか通信講座だけでは実践に通用しないでしょう。
トリマーを目指すための専門学校は全国に数多く開講されていて、とても人気の高い分野です。
また社会人、主婦などにも広く門戸を広げるために授業時間をフリータイム、夜間、週末に限定した学校も増えています。
このように数ある専門学校の中から自身の進学先を決定する場合、一番大切な確認事項は、実技授業の内容です。
多くの専門学校は年間、在学中の授業数(カリキュラム数)を学校説明資料で公開しています。
ただ実際に確認すべき点は、授業数ではなくその内容です。
トリミング実技の授業には必ずモデルとなる「犬」が必要になります。
この犬の手配方法は
・学校で飼育をする
・近隣から有料でトリミングを受け付ける
・近隣から無料でトリミングを受け付ける
・生徒自身、講師自身が用意をする
など学校によってさまざまです。
また実際に用意されたモデル犬のトリミング作業は
・生徒複数人で1頭の犬をトリミングする
・生徒1名で1頭を担当しトリミングをする
・講師のみが実技を行い、生徒は見学することで技術を学ぶ
・モデルはマネキンを使用し、実際の犬は使用しない
などの方法で割り振られます。
学校側としては、毎日全生徒の振り分けるためのモデル犬を常時手配することはとても難しいものです。そのため、なかなか生徒1人に毎時間1頭を手配できる学校は少ないといえるでしょう。
ただこの問題は、その後の技術習得、就職活動、実践での仕事と様々な面に影響を及ぼします。
一般的にトリマーは「1人で最後まで仕上げることが出来る」ことで一人前と認められます。
在学中に複数人で作業をすることに慣れてしまうと、自分自身の技能レベルを正しく把握することが出来ず、仕事先で戸惑う事が多いでしょう。
学校説明会や資料に目を通す際は、実技授業の際のモデル犬の振り分けについて確認し、在学中に効率的に技能習得が出来る学校を選びましょう。
②卒業時に習得出来る技術レベルはどの程度?
トリマーの専門学校が多様化する中で、授業時間数だけでなく、その内容も多様化しています。
その為、学校によって卒業までに習得出来る技術レベルにも差が生じています。
例えば
A専門学校では、プードルのショークリップまで習得が出来る
B専門学校では、プードルのペットカットが出来る
C専門学校ではプードルのカットは授業に含まれていない
などです。
トリマーとて仕事を始めた後は必ず
・プードル
・シーズー
・マルチーズ
・ヨークシャテリア
・コッカー
・シュナウザー
・ウエスティ
などのカットがオーダーされます。そのため、卒業までのどのような犬種のカットを学ぶことが出来るのか、実践に役立つ内容が習得できるのかをしっかりと確認しましょう。
専門学校の学校説明会で確認をするという方法や卒業生の就職先を確認すれば、どの程度の技術を習得できるのか、就職に結びつくのかを知ることが出来るでしょう。
③就職支援制度はある?
大抵のトリミングショップは小規模、少人数で運営されています。そのため、採用するトリマー1人1人にしっかりと独立した作業を分担して欲しいと願うものです。
その為、求人情報にも「一人で仕上げまでできる人」「経験3年以上」などの条件が付与されます。
しかし店舗でスマートに手際よく働くトリマーの誰もが新卒、未経験の時期を通過しているのですから、決して就職活動に挫折したり、未経験だからと面接、応募をためらう必要はありません。
もちろん未経験、新卒の場合であれば、経験者に比べ給与待遇面で厳しい条件が提示されますが、あくまでも技術を習得するまでの見習い期間だけの事を理解し前向きに取り組みましょう。
また新卒、未経験者の求人案件は、専門学校に多く声がかかるので、「就職課」「就職窓口」「提携企業」のある専門学校
の場合、就職活動の際は心強いといえるでしょう。
首都圏以外のトリミング専門学校の場合、卒業はしたものの受け入れ先となるトリミングショップ、動物病院の数が近隣に少なく、就職に苦労をするという事もあります。
そのような場合は、専門学校を選ぶ際にしっかりと就職に向けた学校の取り組み姿勢を確認しておきましょう。また学校によっては卒業生の就職先を公開していることもあり、就職率のよい専門学校を選ぶという方法もおすすめです。
トリマーを目指す際は、上記の点をしっかりと確認し、自分にあった専門学校を選びましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。