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犬の耳の病気「耳血腫」とは?

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犬の耳の病気の1つとして多いと言われているのが「耳血腫」です。

耳血腫とは、犬の耳で耳介と言われている部分に血液(漿液)がたまり腫れ上がっていることを表します。犬の耳血腫は多くの要因で発症します。

耳血腫の原因

犬の耳血腫の原因の殆どが耳の病気が関連しているということが分かっています。耳血腫になりやすい耳介は軟骨で構成されており細かい血管がたくさんあります。

例えば外耳炎や内耳炎、耳に寄生するミミヒゼンダニなど耳に痒みがあるときや耳の中に腫瘍や異物で不快感を感じた時など耳を後ろ足で掻いたり頭を激しく振ったりするようになり耳介付近の血管が切れ耳介の内出血が主な原因の1つです。

その他にもアレルギーやアトピー体質でも全身のあちこちに痒みがでて体ではない耳を掻いたり、耳を強く振ることで耳を何かにぶつけたり、犬同士のケンカで耳を噛まれることで外部から耳介への刺激で発症することも多々あります。耳血腫の原因として最も多いのが

●耳に腫瘍ができている

●アレルギーやアトピー体質

●耳ダニの感染

●血小板減少症

●細菌感染

●外耳炎・中耳炎

などがあげられます。

耳血腫の症状

耳介が腫れ上がり熱を持ち、痛みや強い痒み、耳が膨らむことで違和感から犬は耳を触られることをとても嫌がります。

耳血腫は通常片耳だけに発症するのが一般的ですが、希に両耳に発症することもあります。

耳血腫の発症によって、耳の穴が塞がり通気性が悪くなることで二次的に外耳炎や中耳炎を併発することも多々あります。

耳血腫の主な症状は
●頭をしきりに振る

●後ろ足で耳を掻く

●耳を床に擦りつける

●機嫌が悪くなり攻撃的になる

●耳を痒がる・痛がる

●耳が熱をもつ

上記のような症状がでます。

外部からの刺激や外耳炎といった耳内部の異常、様々な要因で発症するのが耳血腫の特徴的な症状がです。わかりやすい症状が出ることから比較的早く飼い主が気づく事の出来る病気だと言えるでしょう。

耳血腫の診断・治療法

耳血腫の診断方法は見た目に耳介が腫れ上がるので異変に気づきやすい病気です。耳が立っている犬種は腫れの重さで耳が垂れ下がるのも特徴の1つです。耳が元々垂れている犬種は左右の形に差が出てくるのでわかりやすいと思います。

耳血腫の治療法として

▲シリンジや注射針を用いて耳介にたまった血液(漿液)を抜く

▲外科的に手術で血液(漿液)を抜く

▲内科的にステロイド剤や抗生剤の投与

上記の治療法が一般的です。初めて耳血腫になった場合は麻酔なしでシリンジと注射針を使い血液(漿液)を抜く処置をしたあとステロイドの薬を入れることで治ります。しかし慢性的に耳血腫を繰り返している犬は耳介の軟骨部分に隙間ができ何度も耳血腫を繰り返します。その場合は、全身麻酔を使い外科的に切開して血液(漿液)を抜いた後、軟骨と皮膚の部分を縫合し血液(漿液)がたまるスペースを無くすという処置を行う方が効果的な場合もあります。もう一つ効果的なのが外科的に処置を行う場合、わざと耳介の表面に穴を開け抜き切れていないもしくは、血液(漿液)がたまりやすい犬種は(繰り返している)残った血液(漿液)をしばらく排泄させる方法を使うのも効果的です。

どちらの処置も耳介を圧迫するような形で包帯や粘着タイプのテープで犬の頭に固定し頭を振っても耳に刺激を受けないような処置をして炎症が落ち着くのを待つ処置も同時に行います。

耳血腫の予防法

耳血腫の適切な予防法はありません。

しかし耳血腫の大きな要因である外耳炎や中耳炎、ミミヒゼンダニ、耳の腫瘍などの病気を放置しないことが一番の予防方法です。アレルギーやアトピー体質の場合はその治療を行う事で耳血腫を防ぐこともできます。

耳血腫の症状は明らかに見てわかりやすい病気です。腫れが小さい内に適切な治療を行えば血液(漿液)がたまる範囲の広がりを抑えることも出来るでしょう。

耳血腫は治療をしなくても自然に治ることもありますが、やはり何度も繰り返し耳の軟骨が萎縮し耳の形が変形してしまうので早期に適切な治療が必要です。

まとめ

犬の耳の病気「耳血腫は」様々な要因がいくつもあります。その要因が重なり発症する確率が高い病気です。耳血腫になることで二次的に外耳炎や内耳炎を併発しやすい病気でもあります。しかし早期に適切な処置や治療を行えば完治する病気でもあります。

耳血腫の多くは耳が垂れ耳の中の環境が蒸れやすく外耳炎や中耳炎になりやすい犬種に多く見られると言われていますが、耳が垂れていなくても様々な要因で耳血腫になる可能性は多々あります。

免疫疾患や耳に腫瘍が出来ている場合を除く原因は、飼い主が日頃の手入れを行うことで防ぐことができるのです。

耳血腫にならない為にも要因となる疾患の治療や耳血腫の原因で多いミミヒゼンダニや外傷、外耳炎や中耳炎、アレルギーやアトピー体質の治療をしっかりと行う事でも耳血腫を防ぐこともできる病気です。

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