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高脂肪食品の摂取大丈夫?犬の肥満の原因。

投稿日:2018年10月24日 更新日:

犬の肥満とは?

犬の肥満も人間と同様、病気の予備軍であることは間違いではありません。では、犬の肥満とはどのような体系のことをいうのでしょう。一番の目安は犬の体を真上から見て「ウエスト部分のくびれがない」こと、「犬の肋骨が触れない」ということが目安となります。

●肥満になる原因

犬にも生活習慣病と言われる病気が増加している傾向にあります。人も同様生活習慣病は日常の食事管理が重要です。肥満が原因で命に関わる怖い病気もたくさんあります。

▲高脂肪食品の摂取

ドックフード以外に、犬用のおやつや、人が食べているものを与えている飼い主は多くいると思います。犬用のおやつでも美味しくするためにたくさんの脂肪分を使用しています。過剰に摂取してしまうと脂肪分が蓄えられてしまいます。人の食べ物は味付けも濃くおいしいので犬も味を覚えてしまうと欲しがるようになり、味気ないドックフードを食べなくなるといった悪循環に陥ります。愛犬に見つめられると”ちょっとだけなら”と与えたくなりますよね。

▲去勢手術・避妊手術

去勢手術や避妊手術をした犬はホルモンが分泌されなくなることによって不活発になり運動量が減る為、手術前と同じ食事量を与えていると肥満になりやすくなります。

●犬の肥満が原因で起こる病気

肥満が原因で起こる病気とは?

★椎間板ヘルニア

★関節炎

★肝臓脂肪

★膵炎

★糖尿病

★クッシング症候群

★高血圧

肥満になった犬は皮下脂肪が増えたことで体内にたまった熱を放散する働きが衰える為暑さに弱くなります。熱中症にもなりやすくなってしまうのです。そして心臓病を抱えている犬が肥満になると心臓に負担がかかり悪化してしまうこともあります。

外科的に手術が必要な病気をした際に、肥満の犬とそうではない犬とでは麻酔のリスクも大きく違ってきます。体重の増加で麻酔の量が増えたり、体内の脂肪が麻酔の効果を妨げ麻酔が効きにくくなったり、反対に麻酔が醒めにくくなったり気管の周りの脂肪が邪魔をして呼吸の妨げになってしまうことが多々あります。

犬を肥満にささせないためにはどうしたらよいのでしょうか?

●食生活の見直し

一番大切なのは、肥満にしないことです。低脂肪の食事を選び体重に合った分量を与えましょう。すでに愛犬が肥満気味の場合は、現体重の分量では無く、愛犬の理想体重の分量で与えてください。犬は与えれば与えられるだけ食べてしまいます。クッシング症候群などの病気が隠れている場合は、食べても食べても更に要求してきます。その時は、与える回数を増やして空腹の時間を短くすることで改善されることもあります。その他に一日二回の食事回数を、一日三回にする、水でふやかすと消化を助けたり、満腹感を得られる方法でもあります。愛犬に合った食事管理の工夫をしてみてください。

ふやかす際に注意してもらいたいのが、お湯ではなく水でふやかしてください。お湯でふやかすとドライフードの栄養素が壊れてしまいます。ドライフードが吸いきれなかった水分も栄養が含まれるので捨てずに与えてください。

おやつを与えたい場合は、市販のおやつではなく、一日のドッグフードをおやつ分と主食分とに分けておやつとして与えるのもよいでしょう。市販のドッグフードも低カロリー・低脂肪のフードはありますが、更にカロリーを抑えた満腹感を得られるフードが動物病院に療法食として販売しています。「なかなかダイエットできない」「ドックフードを食べてくれない」「ダイエットのやり方がわからない」など悩んでいる飼い主さんは、一度、動物病院で食事療法の相談してみてはいかがでしょうか。愛犬の体格に合った理想体重やフード、適切なダイエット指導など愛犬の体重測定や健康診断を兼ねて定期的に動物病院へ足を運ぶ事も膵炎だけに関わらず愛犬の病気を早くに見つけることができ、早期発見・早期治療に繋がります。

●適度な運動を心がける

適度に運動をすることによって、食べた物が消化しやすく、腸の動きが活発になり膵炎の発症を抑える効果があります。運動は肥満予防にも繋がるので適度な運動は必要です。もともと散歩が苦手な犬は、自宅でボール遊びなどを取り入れてみる方法もあります。

運動をさせるときに注意してもらいたいのが、食後すぐに激しい運動をしないようにする事です。食後すぐに激しい運動を行うと胃にある食べ物が消化されないまま嘔吐し、誤嚥したり、体質によっては、胃捻転などを起こしてしまう場合があります。最低でも30分から1時間は空けて運動する始める事をお勧めします。

愛犬にとって健康的なダイエットをさせる為に・・

減量をさせる為には、過度なカロリー摂取を控えるのが一番なのですが、普段与えているフードの量を急激に減らすと犬にとって必要なビタミンやミネラルといった栄養素が不足してしまい、犬が常に空腹感を感じるようになってしまいます。人が減量する際に同じようなメニューを飼い主がハンドメイドで与える飼い主もいます。ハンドメイドの食事では、犬にとって必要な栄養素を全て賄うことは難しいのです。

低カロリーで満腹感を得られる食事を与えるには、市販の低カロリーのフードや動物病院では、市販のフードよりさらに低カロリーで空腹を抑えれるフードもあるので犬の生活環境に合ったフードを選ぶとよいでしょう。

当記事は、動物看護師や飼い主向けの参考記事として書き下ろしました。

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