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犬の皮膚病「犬の病的な皮膚病」とは?外部寄生虫やカビによる皮膚病

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犬が生活する環境は衛生的ではないことが多く、ノミやダニといった外部寄生虫やカビなどの寄生を受け、それらが原因で様々な皮膚病を起こしています。また犬に寄生する外部寄生虫やカビは人にもうつり被害を及ぼすものもあります。

~犬の病的な皮膚病とは?~

▲毛包虫症(アカルス)▲

犬の被毛の根元にある皮脂腺に寄生するダニの一種です。

~症状~

口や下顎、目の周りや前足の前面など皮脂腺が多く分布する皮膚に脱毛が徐々に広がりやがてニキビのような膿胞がたくさんできます。その部分の皮膚がただれ時には患部が細菌に感染して化膿をおこします。毛包虫症の初期の頃は痒みが少ないのが特徴ですが、次第に症状は進行し頭や背中、腰周りや肛門周辺、下腹部や膝の内側に広がります。痒みが出る為、犬はしきりに患部を舐めることで細菌感染がおこりやすくなります。

~原因~

皮脂腺に微細なダニ、毛包虫が寄生し、脱毛や皮膚炎の症状がでます。毛包虫に感染している犬との接触で感染しますが多くの場合、仔犬が母犬の母乳を吸うときに感染し、発育期に発病することが多い病気です。

健康な犬でも半数以上が毛包虫を持っているといわれていますが、全ての犬が発症するわけではありません。毛包虫症の発病や進行具合は犬種によって発病のしやすさだったり個々の免疫や抵抗力の違い、ホルモンバランスなどの傾向が関係しているようです。近年では若い犬だけではなく10歳以上の老犬にも毛包虫症が増えている傾向にあります。免疫力の低下や加齢に伴うホルモンバランスが原因だといわれています。老犬が毛包虫症に感染すると治りにくいといわれています。

~治療法~

毛包虫症の治療法は、早い時期に治療を開始することがとても重要です。

ダニを殺す抗生剤の服用とダニ剤による薬浴療法を並行して行います。長期にわたる治療が必要な病気ですが、処置を継続することで完治させることができます。

▲疥癬▲

皮膚にダニの一種であるイヌセンコウヒゼンダニが寄生しておこる皮膚病です。

~症状~

疥癬症の症状は耳のふちや顔、肘、膝、かかと、足の甲などの皮膚が硬く固まってフケや激しい痒みを伴う発疹が特徴的です。症状が進行するとフケが厚いかさぶたを作り、かさぶたの下でヒゼンダニが繁殖します。カイセンに感染している犬との接触で感染します。

ヒゼンダニに感染している犬を人が抱っこしたり触ると人にも感染し、腕や胸、お腹などに赤く無数の発疹ができ激しい痒みを伴います。

~治療法~

全身の毛を刈り、病状の範囲や状態を把握します。毛を刈ることで薬浴などの薬剤が浸透しやすくなり治療の効果を上げる方法の一つです。その他にもダニを殺す外用薬の塗布や内服を行います。酷い痒みが伴う場合は痒みを抑える薬や皮膚の回復を促す薬などを使用します。治療を始めて比較的すぐに症状が軽減されたように見えてもヒゼンダニは再発率が高いので完全にヒゼンダニが死滅して患部が完全に治るまでは治療を継続する必要があります。

▲白癬▲

人間の水虫の原因である白癬菌の近緑のカビが寄生してひきおこる皮膚病です。

~症状~

犬の顔や目の周り、耳や体の皮膚が柔らかい部分に円形の脱毛がおこるのが特徴です。患部の痒みはほとんどありません。疥癬に感染している犬の体や患部に触れると人間にも感染しタムシ状の皮膚炎がおこります。

~原因~

犬の毛や皮膚に、カビの仲間である糸状菌が寄生して皮膚や毛根を侵すため脱毛や皮膚の異常が現れます。この皮膚病を引き起こす糸状菌には「イヌ小胞子菌」「石膏状小包子菌」「毛そう白癬菌」がありますが殆どはイヌ小包子菌です。

~治療法~

全身の毛を刈り原因となっているカビを取り除きます。

全身の毛を刈ることで菌を完全に取り除くことが治療の早道といえます。早く治療を開始することも人間への感染を防ぐ事に繋がります。一週間に二回の薬浴と白癬に効果がある塗り薬や抗生剤の投与します。白癬の治療は皮膚の状態が良くなっても菌が完全に死滅するまで続ける必要があります。治療期間は一ヶ月以上かかることもあります。白癬は幼児や女性の頬や腕など軟らかい皮膚に容赦なく感染します。動物だけでなく人間にも感染するので根治させる必要があります。

▲酵母菌による皮膚病▲

カビの仲間の酵母菌マラセチアは通常、犬の耳垢に繁殖します。しかし脂ろう性皮膚炎やアトピー性皮膚炎をおこした患部からも酵母菌が見つかっていることから皮膚病を悪化させる原因の一つと言われています。

~症状・原因~

治りにくい慢性の外耳炎をおこしたり、茶色くちょっと酸っぱい匂いがする耳垢が大量に増えるときはマラセチアが関係しているといえます。耳以外の場所でもベタベタする脂っぽい表皮や分泌腺が多い指の間などに増殖します。

~治療法~

耳垢や皮膚の脂肪などがマラセチアの増殖や痒みを生じる原因になるのでマラセチアが増殖しないように耳の掃除や皮膚を清潔に保つようにします。殺菌効果のあるシャンプーやマラセチアの増殖を抑える効果がある抗生剤を服用します。

当記事は動物看護師や飼い主向けに書き下ろしたものです。

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