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犬の消化器の病気「膵炎」とは?

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犬の膵炎は、膵臓が何らかの原因で炎症を起こし膵臓が溶けていくという、とても恐ろしい病気です。
膵臓は血糖値を下げるホルモンの分泌をして生きていく上で大切な臓器の1つです。その膵臓が炎症によって機能を果たせていない場合、糖尿病のリスクも高まります。
犬の膵炎には人も同様、「急性膵炎」「慢性膵炎」の2つ存在します。

犬の膵炎の原因

犬の膵炎の原因とは?

●クッシング症候群などのホルモンの病気

●高脂肪食品の過剰摂取

●肥満

●高血圧

●遺伝

●好発犬種

▲ミニチュアシュナウザー
▲トイ・プードル
▲アメリカン・コッカー

膵炎の好発年齢は、6歳から9歳頃といわれており、かかりやすい
上記の犬種は遺伝的要素から膵炎の好発犬種といわれています。

●腹部の外傷(過去の手術)
過去の腹腔内の腫瘍などを取り除く手術によって、内臓(腸)の癒着や、胆管などの詰まり、膵液などの逆流が原因で膵炎が引き起こることもあります。

犬の膵炎の症状

急性膵炎の場合
●腹痛
●腰痛
●発熱
●食欲の低下
●元気がなくなる
●嘔吐(クリーム状で泡混じりの嘔吐物が特徴です)
●下痢

重症の場合
●浅速呼吸(呼吸が荒くなる)
●血圧の低下
●脱水症状
●粘膜の黄疸

急性膵炎の場合、突発性であることが多く、腹痛・発熱・食欲の低下・嘔吐・下痢・浅速呼吸・血圧の低下などといった症状がみられ、下痢や嘔吐を繰り返すことによって脱水症状を引き起こします。重症の場合にはショック症状に陥り命に関わる病気です。

慢性膵炎の場合
●腹痛
●腰痛
●下痢
●嘔吐(クリーム状で泡混じりの嘔吐物が特徴です)
●食欲の低下
●粘膜の黄疸

慢性膵炎は急性膵炎に見られる症状が断続的に続き常に下痢や嘔吐といった症状を繰り返します。治療を行わず放置してしまうと重症化してしまい命に関わることもあります。

膵炎は激しい腹痛を伴い犬は猫背のような体勢で丸まったり震えたり、お腹の激痛で横になって眠れないといった症状がでます。犬が激しい腹痛の襲われているときは、前脚を伸ばしお尻を持ち上げ祈るような体勢になることから、「お祈りのポーズ」という体勢をとるといわれています。膵炎だけに関わらず息苦しいときなどにもこのような体勢をすることがあるので、犬が何らかの体調不良を訴えているとわかる目安になるでしょう。

犬の膵炎の診断・治療法

■診断方法

膵炎はその他の消化器疾患と似ているため見た目などでの診断は難しく、一般的には、血液検査で”膵酵素量“の測定を行い
レントゲン検査や腹部エコー検査などと照らし合わせながら診断を行います。膵炎を確定診断するためには、外部の検査センターに採取した血液の検査を依頼することもでき、院内で簡易的な”膵炎検査キット”を用いて検査することもできます。

■治療方法

一般的に、嘔吐や下痢などを抑える薬や、痛みが酷い場合には鎮痛剤、抗生剤などを使う内科療法が主になります。膵炎の治療薬は現時点ではありません。治療によって膵臓の炎症が自然に治まるのを待つしかありません。軽度の場合は自宅で投薬などの治療は可能ですが、症状が酷い場合や脱水症状を起こしている場合は、入院して、約一週間の絶食・絶飲の治療や点滴での補液治療も合わせて行います。

腹腔内で過去の手術や腸管などの目詰まり、腫瘍などによって膵炎を発症している場合は、外科的手術によって切除する方法もあります。

犬の膵炎の予防法

犬の膵炎は、90%が突発性に、どの犬種にも起こりうる病気です。では膵炎を予防する方法はあるのでしょうか?一番の予防法は肥満にしないことが重要です。

その他にも

●食生活の改善

●適度な運動

●定期的に健康診断を受ける

適度に運動をすることによって、食べた物が消化しやすく、腸の動きが活発になり膵炎の発症を抑える効果があります。運動は肥満予防にも繋がるので適度な運動は必要です。運動をさせるときに注意してもらいたいのが、食後すぐに激しい運動をしないようにする事です。食後すぐに激しい運動を行うと胃にある食べ物が消化されないまま嘔吐し、誤嚥したり、体質によっては、胃捻転などを起こしてしまう場合があります。最低でも30分から1時間は空けて運動する始める事をお勧めしてください。

まとめ

膵炎は命に関わる怖い病気です。犬にも生活習慣病と言われる病気が増加している傾向にあります。人も同様生活習慣病は日常の食事管理が膵炎を発症させない為にも重要だといえます。肥満は人も同様、犬にとっても”百害あって一利なし”です。肥満は膵炎だけではなく、クッシング症候群や糖尿病、肝臓脂肪など肥満が原因で引き起こされる病気はたくさんあります。肥満にさせないためにも食事管理は重要なのです。愛犬に人の食べ物を与えている飼い主もいます。味付けも濃くおいしいので犬も味を覚えてしまうと欲しがるようになり、味気ないドックフードを食べなくなるといった悪循環に陥ります。人の食べ物で特に唐揚げなど油分の多い食べ物は、油の分解・代謝が苦手な犬の体には致命的です。膵臓に大きな負担をかけてしまうので私たち獣医師や動物看護師は飼い主に愛犬の食事指導を行う事は重要です。

投稿者プロフィール

福岡の新人獣医師
福岡の新人獣医師
某獣医系大学に6年間通い、晴れて獣医師になったとある新人獣医師です。某田舎の動物病院に勤務することになりましたが、病院内の掃除や器具の片付けなど雑用も多く、下積みが必要だということで耐えてますが、気晴らしにブログ等書いてます。看護師さんや、獣医学生の役に立てば幸いです。

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