犬との生活や文化、習慣は日本は欧米に比べ数十年以上の遅れをとっているとたびたび言われます。
そのため訓練の手法も多くは海外で提唱されたものが多く、日本でアレンジされペット向けの提唱されています。せっかく訓練について学ぶのであれ海外へ出向き、現地で習得をしたいと考えることも当然です。
ただ海外留学を斡旋するサービスを見てもなかなか犬の訓練に特化したコースが見つからないという声も多々あります。犬の訓練習得のために海外留学を目指す場合の方法をご紹介させていただきます。
■海外に提携校のある専門学校へ進学をする
近年専門学校もますます個性化が進み、多くの学校が海外に提携校や施設をもっています。中には海外研修や短期留学などの制度を設けている学校もあります。
この場合、学校からの斡旋で留学手配を進めることが出来る点が何よりのメリットになるでしょう。学校からの斡旋であれば複数人で同じ目的地へ向かう事が出来、海外留学への不安も払拭できます。
海外では日本人向けのカリキュラムが用意されているので、訪問した直後から有意義な時間を過ごすことが出来ます。
ただこのような形での海外留学には数百万円単位での費用が掛かることもあります。現地での滞在期間が長くなればなるほどに費用が嵩むのであらかじめ費用の工面を考えておきましょう。
■海外で取得した資格でも日本での開業は可能
国内でペットに関する資格は獣医師資格以外、全て民間団体の認定資格です。そのため資格制度は多様化し様々な資格があります。
海外へ訓練の勉強のために留学をして海外で認定資格を取得した場合、日本での開業に差支えがないのか?日本でも評価されるのか?と不安に感じることもあるでしょう。
海外での取得資格であってもこの点はまるで心配ご無用です。日本の他の資格同様に自身の経歴として扱う事が出来ます。ただ就職活動においては、海外の資格制度は知名度の問題があり、必ずしも日本で正しい評価を得られるとは限りません。中には有名な資格制度であっても日本では知られていないこともあります。
あらかじめ自身で取得資格に関する資料を作成し、どのような経験、スキルを身に着けたのかを説明しましょう。
■英語不要というコースもあります
海外留学にあたり一番の懸念材料は語学力でしょう。英語が話せない、読めないようでは足を運んだその日からの生活に行き詰まってしまいます。
中には自身で英語を話すことが出来なくてもスマホや翻訳機の活用で乗り越えることが出来ると考える方もいます。もし語学留学や観光であればこのような心構えでも乗り超えることが出来るでしょう。しかし訓練という分野を学ぶには、実際に犬を扱い、自身で行動をしなければなりません。決して会話の都度スマホで検索、翻訳をする暇はありません。
留学を希望するにあたり、語学力に不安がある場合は日常会話程度の語彙力をつけておくよう努力しましょう。中には犬に関する専門用語や訓練に関する用語の学習に意欲を燃やす方もいます。しかしこれらの専門用語は訓練のカリキュラムが進む中で自然と理解、習得できるものです。
まずは日常的な会話を習得して周囲とのコミュニケーションを図るよう考えておきましょう。
■経験者ならではの留学プランも考える
ドッグトレーナーの世界は大変奥が深く、見習いと呼ばれる期間も長い職業です。ベテランと呼ばれるほどに経験を積んでからも、手を焼く犬に出会ったり、訓練の手法に思い悩むことも多々あります。
ドッグトレーナーを目指し、日々仕事として訓練に取り組む中で、中にはよりスキルアップをしたい、知識を広めたい、競技会に参加をしたいというようにさらに大きな夢が思い浮かぶこともあるでしょう。
そのような時、海外への短期留学も視野に考えてみましょう。
海外留学というと日本では学生が主体となるイメージが強いものですが、本来は経験を積んだ社会人が行くべきプログラムでもあります。経験を積んだからこそ見えること、気が付くこと、追求したいことがきっとあるからです。
もちろん社会人になってからの留学には賛否両論がありますが、きっと今後の仕事や人生に糧になることは間違いありません。
学生時代は学校の組んだカリキュラムに従い留学生活を送りますが、社会人になってからの留学であれば自身でプランを立て行動することも可能でしょう。
海外の著名な訓練士を訪問したり、セミナーに参加したりと自身の関心のある分野をさらに追及することも出来ます。海外で学んだ手法をもとに日本でビジネス化することもできるでしょう。
海外のペットビジネスは日本とはまるで違う手法で発展し成長しています。きっと訓練以外にもさまざまなことが刺激になり、参考になるでしょう。
ただ海外には当然危険もつきものです。事前の計画を十分に練り、安全で安心な海外留学を実行しましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。