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犬のガ「犬の腫瘍・なぜガンになるのか?」について

投稿日:2018年12月28日 更新日:

~なぜ?ガンになるのか?~

ガンになる原因は人と同様、一つではありません。細胞中の遺伝子に異常をおこす可能性のあるものは全て発ガンの要因になるといえます。「どうしてガンになったのか?」と飼い主に良く聞かれます。しかしガンになる原因は様々であり、確定的なものは何一つありません。なぜ?ガンになるのか?という事を考えるより、愛犬にできたガンをできるだけ早く発見し、的確な診断と治療を受けることが大切だと思います。

ガンになる主な原因とは?

●老化

一般に歳をとるほどガンは発生しやすくなります。

●化学物質

タバコや汚れた大気など、多くのものがガンをひきおこす発ガン性物質ではないかといわれています。

●紫外線・放射線

紫外線や放射線は、皮膚ガンの原因の一つです。例えば紫外線が皮膚の細胞に到達しやすい白い犬の毛の犬は、耳や鼻の周りに皮膚ガンが発生しやすくなります。

●ウイルス

ある種のガン、例えば白血病や悪性リンパ腫はウイルスが原因で発生するともいわれています。

●ホルモン

乳ガン・前立腺ガン・肛門周囲の腫瘍などの中には性ホルモンが関与するといわれています。

●遺伝(犬種)

過去数百年の間に、人間は様々な犬種を作り出すために、犬に近親交配を繰り返してきました。その結果、犬種によっては、良い性質も遺伝する一方で、ある種のガンが発生しやすくなってしまいました。犬は人間の約二倍も腫瘍になりやすい動物であるといわれています。

●その他

外傷や寄生虫の感染などが原因になってガンを発生させることもあるようです。

増え続ける犬のガン

動物の為の医療が進歩したことや、犬を飼育する環境が良くなったことから、近年、飼い犬の平均寿命は明らかに延びました。それに伴い、ジステンパーやフィラリア症で亡くなる犬は少なくなりましたが、その半面8歳以上になってガンにかかる犬が増えています。人間のガンと同様に犬のガンも治療が困難な場合が多いので、早期発見、早期治療する事が重要です。

~ガンのサインとは?~

▲皮膚や口の中などにできたシコリがなかなか治らない、または、次第に大きくなる。

▲傷やタダレが治らない

▲理由がなく体重が減る

▲食欲の低下

▲体臭が酷い

▲食べにくそうにする、または食べ物を呑み込み辛そうにする。

▲運動を嫌がる、体力がなくなる

▲足を引きずる、体の一部の麻痺が続く。

▲呼吸が不自然、排尿や排便が困難になる

(*全ての症状がでるわけではありません。)

犬の乳腺腫瘍(乳腺ガン)

*乳腺にシコリができる

犬の乳房(乳腺)にできる腫瘍です。特に雌犬の場合、腫瘍の50%以上が乳腺にできます。雌犬の最も気を付けなければならない腫瘍の一つです。

<症状>

8歳~11歳の雌犬に良く見られ、妊娠・出産の経験に関係なく発生します。雄犬にも乳腺の腫瘍ができることもありますが、極めて稀です。犬の乳腺は人間と異なり、左右に5対(中には4対の犬のいる)ありそれぞれが繋がっています。乳腺の腫瘍は、乳房をふれるとシコリが感じられるのが唯一の症状です。

犬の乳腺腫瘍には、良性のものと悪性のものがありますが、悪性のもの、すなわち乳癌である確率は約50%だといわれています。乳癌の場合には、シコリは急速に大きくなり、1~2ヶ月で二倍程度の大きさになります。初期の段階では、その他の異常は全く認められません。

<診断・治療法>

シコリの一部を採取し、病理学的な組織検査でガンかどうかを診断します。乳腺に複数のシコリがある場合には、治療の目的で乳腺を切り取り手術後に病理組織検査でガンであることを確かめることもあります。術前検査として手術前に、全身の状態を血液検査で調べたり、レントゲン検査で、肺や他の臓器に転移がないか?どうかを確認することも重要です。

治療法として、ガンが疑われる場合、シコリの部分切除だけではなく、周りの健康な組織も含めて乳腺ごと切除します。直径1㎝以下のガンであれば外科的に切除を受けることで殆どの場合、完治するといわれています。

<早期発見方法>

乳腺腫瘍の早期発見はとても簡単です。飼い犬が5歳を過ぎたころから、月1程度、お腹を撫でるついでに乳腺を軽くつまむようにしてシコリの有無を確認してください。なお、1歳前後で避妊手術を受けることによって乳腺腫瘍になる確率は大幅に減ります。ただし2歳半以上後に避妊手術を受けても乳腺腫瘍の予防効果は無いといわれています。

細胞の中の遺伝子に傷がついたり、その一部が変化すると、細胞はその規則を破って異常に増殖しています。その結果できた異常な組織が「腫瘍」とよばれるものです。腫瘍には、ゆっくり増殖して体の他の部分には転移しない良性の腫瘍と、はてしなく増殖し、肺や肝臓などの重要な臓器に転移して、最後にはその動物を死に至らせる悪性の腫瘍があります。ガンは人間に限らず、犬、猫、ネズミ、牛、馬、鳥、魚など全ての動物に発生します。

当記事は、動物看護師・飼い主向けに書き下ろしたものです。

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