訓練士とトレーナーは同じようで、実は仕事内容がまったく違うんです。
一般的に、「トレーナー」は、家庭で飼われているペットへのしつけなどを教える職業です。
無駄吠え癖やトイレのしつけ、噛み癖などの問題行動を起こしてしまうペットが対象です。
犬と毎日のように触れ合えるため、男女問わず人気のある職業です。
噛み癖や吠え癖は飼い主を困らせてしまう一方、動物事態がストレスを抱えている場合もあります。
問題行動を起こしていない場合でも、人間と動物がお互い気持ちよく生活できるように
トレーナーがしつけを行う事も。
一方で訓練士は、「使役犬」と呼ばれる働いている動物たちへの訓練を行うのが仕事です。
盲導犬や介助犬などへのしつけや調教、仕事を覚えさせます。
障害を持つ人間にとって使役犬はかけがえのないパートナーです。
そんな使役犬を育てる訓練士は非常にやりがいのある仕事です。
今回は、犬と触れ合う仕事である、
「ドッグトレーナー」「犬の訓練士」について説明します。
仕事内容
ドッグトレーナー
基本的に、飼い主さんからの依頼を受け、仕事を始めます。
飼い主がどのような問題で困っているか、犬の性格や特徴などを事前に聞いておきます。
子犬や成犬、大型犬から小型犬まで沢山の種類の犬に対してしつけを行います。
飼い主さんのしつけが正しいのか、普段どのような生活を送っているのかをチェックし、
改善点を飼い主さんへ伝えます。
子犬と成犬ではしつけの方法が違いますし、犬種によって得意不得意が分かれますので
その犬に一番合ったしつけの方法を見出す事が求められます。
トレーナーの勤務場所ですが、犬と触れ合えるテーマパークやドックトレーニング教室、
しつけ教室、ペットショップなどがあります。
その他にも、独立ししつけ教室を開業しているトレーナーなどがいます。
一般的にドッグトレーナーは、飼い主さんから犬を預かり、
教室やトレーニング場でしつけを行う事が多いのですが、
訪問型というかたちをとっているトレーナーもいます。
実際に飼い主さんと犬が暮らすお宅へお邪魔し、その家の中でしつけを行います。
お宅へお邪魔するわけですから、飼い主さんとのコミュニケーションも大事です。
ドッグトレーナーが活躍する場は幅広くあります。
自分が働きたい職場をあらかじめ決めておくと就職活動がやり易いでしょう。
犬の訓練士
ここでは、警察犬や介助犬の訓練士について説明します。
警察犬は直属犬と嘱託犬がおり、直属犬は警察官が訓練します。
嘱託犬は各都道府県の認めにより合格した民間で飼育されている犬、
直属犬が各都道府県の警察署が管理している犬です。
直属犬の訓練を行いたい場合は、必ず警察官になる必要があり、
また、警察官になれたとしても、必ず訓練士として配属されるわけではないので、
あまり現実的ではありません。
嘱託犬の訓練士になるには、まずは民間訓練所に入所し、見習い訓練士として働き始めます。
また、専門学校で学ぶという選択肢もあります。
入所後すぐに訓練士になれるわけではなく、一人前の訓練士になるには5年ほど掛かると言われています。
嘱託犬の訓練士の仕事内容ですが、犬舎の掃除から排泄物の処理、餌やりなどの雑用を行い、
基本的なマナーや持久力を付けるための運動を、犬と共に行います。
匂いをかぎ分ける「臭気選別作業」や、強盗などの犯人を襲撃するためのしつけなどを行います。
介助犬は、盲導犬や聴導犬なども含まれます。
介助犬訓練士になるためには、各都道府県にある育成団体に研修生として入る必要があります。
また、介助犬訓練士になるための講義を受けられる専門学校もあります。
寄付や補助金で運営されている場合が多く、あまり儲かっているとはいえないのが現状です。
介助犬を目指す犬の飼育や、出産時のサポート、産まれてきた子犬の管理などを行います。
身体が不自由な人のサポートを行うのが介助犬の仕事ですので、
ドアを開けたり、物を取ったりなどをスムーズに行えるように調教します。
聴導犬訓練士は、犬の犬種があまり問われない為、小型犬から雑種まで
様々な犬種を扱う必要があります。
「この音は危険」「この音の方へ向かう」などを教えたり、
電話が鳴ったら飼い主さんへ教えるように調教します。
赤ちゃんの泣き声や、踏切の音もしっかり教え込む必要があります。
盲導犬訓練士は、盲導犬育成団体や訓練所に入所する必要があります。
研修生として勉強し、盲導犬訓練士を目指します。
また、盲導犬訓練士がゴールではなく、最終的には「盲導犬歩行指導員」を目指します。
犬の餌やりや排せつの雑用や犬舎の掃除などの雑用、報告書作成などの事務作業まで行います。
基本的なしつけから、人間の言う事に従うように調教します。
その後、障碍者をサポートするための歩行訓練などを行います。
障害物を避ける歩き方や、曲がり角の曲がり方、階段の上り方を調教します。
それらをクリアした犬には電車やバスなどの公共交通機関の乗り方や
過ごし方を教え込みます。
給料について
ドッグトレーナー
給料は勤務場所や地域によって違いますが、平均で200万円~300万円程になります。
ペット業界は基本的に給料が安いため、トレーナーもその影響を受けています。
犬の訓練士
警察犬訓練士の給料は直属犬を扱う警察官と、嘱託犬を扱う訓練士とで
かなりの差があります。
直属犬訓練士は、警察官であるため、平均年収は700万円~750万円程になります。
一方、嘱託犬訓練士は民間団体の為、年収200万円~300万円程になります。
介助犬訓練士も、民間団体での勤務になるため、給料は低いのが現状です。
住み込みで見習いとして働く場合は、給料が出ないという場合もあるようです。
必要な資格
ドッグトレーナーや訓練士になるために必要な国家資格はありません。(直属警察犬訓練士は除く)
警察犬訓練士は、研修生として働きながら「公認訓練士」の資格を取る勉強をします。
介助犬訓練士は、障碍者の方とも関わるので、福祉の知識が必要でしょう。
犬関連の資格は沢山持っておくと、なにかと有利になるので勉強しておくと良いでしょう!
いかがでしたか?訓練士とトレーナーは給料が高いとは言えませんが、
責任が重い、大変なお仕事なんですね。
しかし、困っていた飼い主さんが笑顔になった瞬間や、
障害を持つ人が生き生きと生活しているのを見ると、やってて良かったと思える、
非常にやりがいのある仕事なんですね!

「ペットワークス.jp」編集部です。ペット業界のお仕事情報を日々発信します。求職者、転職者、専門学生の皆さんのお役に立つ媒体にしていきたいと考えています。