ドッグトレーナー(訓練士)の仕事は実際の仕事の現場を見学する機会が少なく、なかなか就職後のイメージが出来にくいという声があります。
ここでは一般的なドッグトレーナー(訓練士)の仕事の流れをご紹介させていただきます。今後どのような分野のドッグトレーナー(訓練士)の仕事へ進みたいかを考えている場合のご参考にどうぞ。
■ペットショップに勤務するトレーナーの一日
ペットショップに勤務するドッグトレーナー(訓練士)の仕事は土日がメインです。
通常はペットショップで販売した子犬のしつけ教室や相談が主な仕事です。
【9:30】出勤
ペットホテルの犬猫の世話、生体販売の子犬子猫のお世話、清掃、商品補充など様々な準備作業
前日からの引継ぎ、当日の予約状況などの打ち合わせ、ミーティング
【10:00】開店
【10:30~12:00】しつけ教室、相談会の開催
月齢、問題行動の種類などでクラスを分け開催
個別相談の時間を設け対応
【12:00~13:00】休憩
【13:00~17:00】しつけ教室、相談会の開催
月齢、問題行動の種類などでクラスを分け開催
個別相談の時間を設け対応
【17:00~19:00】ペットホテルの犬猫の世話、生体販売の子犬子猫のお世話、清掃、商品補充など様々な作業
翌日への引継ぎ、当日の来店状況などの報告
しつけ教室の開催や販売時のしつけ相談が主な仕事になります。お客様の来店時間が多い時間帯に合わせ開催スケジュールを立てます。またリピーター参加の勧誘、しつけ教室の告知、アフターフォロー、イベントの開催なども仕事として含まれ、スケジュールを調整しつつ、売り上げ管理も意識をします。
平日は来店客数が少なく、開催クラスの数が限られます。平日は個人レッスンなどを設定するとよいでしょう。
■訓練所に勤務するドッグトレーナー(訓練士)の一日
訓練所とは主に警察犬や災害救助犬、盲導犬など特殊使役犬の育成に携わる施設です。中には従業員は住み込みで仕事に就く訓練所もあります。
ペットショップとは就業時間、休日に関する概念が大きく異なるので、就職を希望する場合はあらかじめ見学、相談の機会を設けましょう。
【6:00】起床、制服に着替える、朝食
【6:30】担当する犬の食事、排泄、犬舎の清掃を行う
【日中】訓練、休憩、食事や排泄などの世話
委託業務への対応
訓練指導や計画作成
【18:00】終業
基本的に夕方までに仕事は終わります。週に数回の休日はありますが担当犬のお世話はたとえ休日でも必ず生じます。犬と寝食を共にすることで信頼関係を気づき、犬の特性を理解することを目指しているので大変濃密な生活です。
十分な経験を積み、自身の担当犬が実務に出るようになると警察からの委託業務に同行したり、盲導犬の利用者の方と共に訓練に取り組んだりという業務も日々生じます。
犬の訓練は1つとして同じ内容がないので経験を積みながら様々な状況に対応できる実力をつけることを目指します。
■個人で独立開業するドッグトレーナー(訓練士)の一日
警察犬訓練所やペットショップでの勤務を経て独立開業をして自分らしいスタイルで仕事をすることもドッグトレーナー(訓練士)なら可能です。
この場合、毎日のスケジュールは基本的に飼い主からの要望に応じて調整をします。
ただスケジュール調整においては
・午前中の早い時間、夕方は、家事で多忙な家庭が多い
・土日や休日を希望される方が多い
・屋外でのレッスンを予定する場合は屋外の気温にも配慮する
などの基本事項を覚えておきます。
また自身の家事や育児との時間の兼ね合いも考え、無理なくスケジュールを立てることが仕事を長く続ける秘訣です。
個人での独立開業には、実地訓練以外にも「販促」「広告」「経理事務」などの業務も生じます。犬の訓練を希望する飼い主の多くは3~5回のレッスンで問題解決を希望し、レッスン終了を希望します。
そのため常に新規顧客の獲得に努める必要があります。
・近隣のフリーペーパー
・コンビニやスーパーでの掲示物
・SNS
・地域イベント
などを上手に活用し広告宣伝に取り組みましょう。
またすでに利用経験がある方からの紹介も大変有効な集客方法です。紹介制度を確立し積極的な活動をしましょう。
個人で独立開業をされている方の中にはペットシッターを副業とされる方も増えています。トレーニングの仕事は昼から午後に仕事が集中しやすく、朝、夕のスケジュールが開きがちになります。しかしペットシッターならこの朝夕が繁忙期時間帯になります。
両方の仕事を引き受けることで、一日のスケジュールを効率的に埋めることが出来、安定した収入を得ることも出来ます。
自身のスキルを活かしどのような仕事が出来るのかを様々な視点から考え活動をしましょう。

ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。